カテゴリ:映画
『風と共に去りぬ』(1952年/米)
(午前十時の映画祭 12/10~:TOHOシネマズファボーレ富山) 今さらいろいろ書くこともないような、でも、いろいろ書きたくなるような・・・。 実は今回、映画館のスクリーンで観るのは初めてでした。観る前から興奮しました。 もうフイルムも古いので、ところどころ(主に前編)ツギハギの映像になってます。 音はそんなに気にはなりませんでしたが、やっぱり劣化している個所はあります。 でも、関係ないですね。 つまらない映画は80分ぐらいでも長く長く感じられますが、 面白い映画は4時間でもあっという間、それこそ「風」のように過ぎてしまいます。 南北戦争のこととか奴隷制度のこととか、詳しく知っているわけではありません。 なので、思うことはありますが、その辺については書きません。 主要な登場人物について感じたことを書いてみようかと・・・。 主人公のスカーレットは、激動の時代を「強く」生きた人でした。 その強さは悪魔的な強さではあるのですが、あの時代を現実的に強く生き抜いていくには、 「南部の誇り」だの何だのと言ってる場合ではなかったはずです。 そういう意味では、最後までよく頑張りました。そして、「明日」からも頑張っちゃう。 でも、僕は甘ちゃんで生きているので、女性として好きになるタイプではないですね。 彼女は意志は強いのだけど、最後まで思慮には欠けている女性だったのではないかと・・・。 でもって、なまじっか美人なだけに始末が悪い。愛とは関係なく、男は手に入るので・・・。 僕は女性が「女の美しさ」を武器に生きていくことは否定しません。 ただ、その結果、スカーレットは何人もの男を不幸にしてしまったのは確かです。 そして、そんな風に生き続けていると、 自分が本当に愛している男性が誰なのか、分からなくなってしまいます。 実はスカーレットを見ていて、身近にいる女性で思い浮かんだ人がいるのですが・・・。 いやいやいやいや、さすがのその女性の名はここには書きませんよ。 その女性の何を知っているのかと聞かれたら、実際には知らないことだらけだし・・・。 スカーレットは本当の意味での「強い人」ではなかったのかもしれません。 ただ、「現実的に強く生きる」方法を見い出し、それを実行する力を持っていました。 「最後は土地かよ!」的な終わり方は、時代といえば時代という感じはしますが・・・。 本当の「強さ」を持っていたのはメラニーの方ですよね。 彼女の強さは天使のような強さでして、全時代的、全世界的に通用する強さです。 こんな女性に愛されたら幸せやろうな・・・と思いつつ、 逆に、本当にいたら、神々しくて、恐れ多くて手が出せない・・・みたいな。 レットはねぇ、登場した時点で抜きん出て格好良いいのです。 それはクラーク・ゲーブルの格好良さだけではない格好良さというか何というか。 これはあくまでも僕個人の価値観ですが、 そもそも、最初からレット以外の男たちに、あまり格好良い人がいないのですよ・・・。 南部の男たちは、風土に根ざした「誇り」や「伝統」に判断が縛られ過ぎています。 その点、レットは見識も広く、その上で自分自身の考えを自分で決めて行動しています。 それでいて、実は南部魂が全くないのかといえばそうでもなく・・・。 僕の中では「なんかちょっと憧れちゃうなぁ~」というタイプです。 でも、彼は彼で最後まで変なプライドが自分の素直な気持ちの邪魔してしまいました。 スカーレットのことを愛しているとは素直に伝えていますが、 どこか情熱的には伝え切ってないところがあります。本当はそうすればいいのに・・・。 といいつつ、僕も気持ちは分かります。似たようなところがありますから・・・。 で、情熱的に伝えなかった割には、自分が思う以上にスカーレットのことを愛しているので、 ずっと報われなかったことに、とうとう我慢が出来なくなってしまいます。 やっぱりそうですかね。受け入れられない想いにしがみついてちゃ駄目ですかね・・・。 僕の場合はレットのような格好良さも財力もないのに、いろいろ感情移入してしまいました。 スカーレットとレットの生き方を見ていて浮かんできた四字熟語は「因果応報」でした。 あれ?「因果応報」といえば・・・(2009年07月14日付日記「四字熟語の心理テスト」参照)。 あは~、そりゃ感情移入もしますわな・・・。 最後にアシュレー。 命をかけて戦地に行った人を悪く言ってはいけませんが、 それでも敢えて言うなら、アシュレーの魅力って何なんですかね? スカーレットは生きることに関しては、すぐに考え方を切り替えられたのに、 アシュレーのことを好きだという想い(しかも、“はしか”みたいな恋心)は、 いつまでもグズグズとひきずったままでいました。 メラニーが愛し続けるのにはいい対象だろうとは思いますが、 スカーレットには明らかに不釣合いな男である・・・と、まぁ、観てる側は分かります。 でも、本人はいつまでたっても気づかない。それがすなわち「恋」なんですかね。 こんな風に愛されてる男って、今もいますよね。え?嫉妬? まぁそうですね。してるかもしれませんね。いや、してます。 うわぁ、簡単に書こうと思ったのに、今回も長くなってしまった・ 映画を観たのも久しぶり(10日ぶり)だったもんな・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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