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牧内直哉≧仁楽斎の「フリートークは人生の切り売り」

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2013年03月22日
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カテゴリ:映画
『ひまわりと子犬の7日間』
(3/16~:TOHOシネマズファボーレ富山、シアター大都会)
公式サイト:http://www.himawari-koinu.jp/index.html

ある冬の日、宮崎県の保健所に生後間もない子犬3匹とその母犬が連れてこられた。
母犬は近づく人間がいれば激しく吠え、子犬たちを命がけで守ろうとしていた。
普段から殺処分される犬を一匹でも減らそうと里親探しに奔走する職員の神崎彰司は、
この母犬が気になり、娘との約束もあって、この犬親子の命を守ろうと決心する。

***********************************************************************

神崎彰司を堺雅人さんが演じています。
堺さんの来月の結婚が発表された日に観に行ったのは偶然です。
おめでとうございます。お相手は菅野美穂さんですかぁ、いいなぁ・・・。
って、映画の感想と関係ないですね。

これ、実話をもとにした物語です。
保健所の規則に従えば、この犬の母子は7日間で殺処分されている運命です。
ですが、彰司は日頃から日数を改ざんするなどして、犬の死期を延ばしていました。
タイトルは『~7日間』ですが、実際には約3週間の物語でした。

彰司は数年前に妻を事故で亡くし、母の力を借りながら娘と息子を育ててきました。
もともと動物園の飼育係だった彼は亡くなった妻とも職場で出会いましたが、
その動物園が閉鎖され、今は保健所で動物管理の仕事をしています。

つまり、動物への愛情が強すぎて、殺処分に割り切って踏み切れないんですね。
彰司さんはとても良い人ですが、この仕事には向いてなかったのかもしれません。
ましてや、今回は娘とも「必ず助ける」などと約束してしまいました。

冷静に考えれば、動物の飼育にもお金がかかるので、いつまでも生かしておけません。
市民からも税金の無駄使いだと苦情が来ます。「それは冷たい!」というのは感情論。
殺処分にも税金を使っている・・・と彰司は言いますが、それも彼の勝手な言い分です。

でも、仕事だから・・・と、簡単には割り切れないですよね。
まだ序盤でしたが、彰司が犬を殺処分するシーンは泣いちゃいそうでした。

いや、その前から、そして中盤、終盤、泣きそうになるシーンが幾つもありました。
まぁ、僕も動物、特に犬は大好きなので・・・。もう、これはしゃーないね。
犬のことだけでなく、彰司と娘のやりとりなどもウルウルと・・・。

母犬のルーツが序盤で描かれています。
彼女は夏八木勲さんと草村礼子さんが演じる老夫婦に育てられてきたのですが、
このシーン、BGMは流れますが、台詞はサイレント手法で伝えています。
これが良いんですよ、なんなら最後までこれで・・・は、さすがに無理か。

すいません、以下、結末を臭わす感想になることをお許し下さい。

僕は奇跡という言葉はあまり好きではないのですが、これは奇跡のような物語です。
というか、奇跡のような物語だから映画になったといえます。
でも、奇跡が起きなかったとしても、映画にする意味があったと思います。

実際、こうやって全国の保健所で毎日、犬をはじめ、動物の殺処分が行われています。
野良犬は好きで野良犬になったのではなく、人間の都合で野良犬にさせられているのです。
犬でも猫でも爬虫類でも、人間の勝手でペットを飼っている人が多すぎるからです。

スクリーンに可愛いワンちゃんがたくさん映し出されて、
真後ろの席で観ていた年配の女性が「かわいい~!」って大きな声で発しても、
もう今回は仕方ないですね!という気持ちにもさせてもらえますが、
一方で、「良かったね!」だけじゃ済まない問題が描かれているのです。







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最終更新日  2013年03月23日 01時10分18秒
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