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『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』
(3/30~4/12:フォルツァ総曲輪) 公式サイト:http://www.firstposition-movie.com/ 国籍を問わず世界中から毎年5000人以上の応募があるユース・アメリカ・グランプリは、 世界の名門スクールやバレエ団への足がかり、つまり、プロの道に続くバレエコンクール。 世界各地での予選が行われた後、ニューヨークでの最終選考に残るのは200~300人。 2010年のコンクールに挑む、6人の子供たちを追ったドキュメンタリー。 *********************************************************************** ここで取材されている子供たちは、ほとんどがストイックにバレエに取り組んでいます。 子供でもプロを目指す以上、日頃の生活からストイックにならなくてはならない。 11歳やそこらで将来を決めて目指すのって、なかなかたいへんな事ですが、 本人たちはその気ですから、もう意識の上では既にモラトリアムではないのです。 ダンサーになるには金がかかります。 奨学金制度は必要なことですが、それを手に入れるまでにも金がかかるのです。 中にははっきり「金をかけたが、今度の大会で報われるはずだ」と、 子供本人の前でストレートにプレッシャーをかける親もいました。 でも、それは自然なことだと思います。 それよりも、夢は自分の力だけでは叶わないということが分かります。 子供たちも親の気持ちは理解しています。だから頑張ります。 表現者は、ダンサーでも、俳優でも、歌手でも、お笑いでも、ラジオパーソナリティでも、 プロを目指すか、趣味のレベルで終わらせるかで、求められる意識も当然違ってきます。 子供なのにかわいそう・・・なんていう大人が周りに1人でもいたら、 プロを目指す者にとっては邪魔な愛でしかないのかもしれません。 そんな中で上がってきたものだけが選ばれる。 「どんなに努力しても、それは評価の対象ではない。本番で表現したものが全て」 一番ストイックではなさそうな女子高生のレベッカのコメントです。 これ、僕も日頃から感じていることです。が、それは社会人になってからでした。 まぁ、僕はそんなにストイックじゃないですから、自分に甘いですから・・・汗。 どの子も魅力的でしたが、ダンスとしては、アランという少年のそれは圧巻でした。 いや、私、そんなに造詣があるわけではないのですが、とにかくそう感じました。 で、コンクールの結果発表。ここは映画的な演出になっていました。 「え?マジ?なんで?」と思わせておいて・・・。監督、やるな! コンクール参加者全てにドラマがあるのだと思います。 本当はもっとたくさんの子供を取材して、映画の題材になりそうな子だけ・・・。 と思ったのですが、あとで劇場の方に聞いたら、そこまでの制作費はなかったそうで、 この子たちを取材対象に選んだベス・カーグマン監督、バレエ経験者とはいえ見事です。 この子たちがストイックにバレエに取り組んでいるのは確かなのですが、 その一方で、完璧主義者じゃない方が良いのかも・・・と感じるシーンもありました。 本番でもミスは必ずあります。その中でどう立て直せるかが差になってくるのでしょう。 でも、気楽にやるというのとは少し違うんですよね。 その他にも、この子たちに教わることがたくさんありました。 他人を蹴落としてでも成功してやる!・・・ではなく、 少しでも自分が高みに行くことで認められようとする姿勢も素晴らしいし、 バレエに対する世間の理解が低いことを認識しているところも興味深かったです。 ![]()
最終更新日
2013年04月08日 16時36分50秒
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