年寄りの独り言

Ｋさんとは３０年来の畑仲間。人柄がよく誰からも好かれていた。その彼がひっそりと亡くなっていた。
今年の正月、入院中の病院を抜け出して手土産にりんごの入ったレジ袋をさげてやって来たが、あいにく家の中は孫達大勢でごった返しており、玄関先の立ち話で帰ってもらった。それが彼に会った最後となった。
彼は脱サラで自動車の修理工場を始めた。順調にやっていたが資金繰りに困りヤミ金から借りたのが運の尽きで破産してしまった。その直前に畑仲間に借金し返せないままあの世へ行ってしまった。私も３０万用立てたが、９０万、２００万貸した人もいる。お互いに香典と思って諦めようと云うが、いささか高い香典となった。