永田町で働くサラリーマンの読書日記(脱線多し)

2011/11/12(土)16:51

読中感3 新世界より

読書ネタ(1041)

新世界より(上) 「当初、攻撃抑制を補完するために構想されていた『良心機構』は、PKによる対人攻撃を実行しようとした場合に、思考の集中を妨げるような脳内のメカニズムでした。しかし、その効果は不安定で、結局、実現出来ませんでした。代わって開発されたのは、はるかに単純かつ決定的な効果を持つ『愧死機構』だったのです。『愧死機構』の作用機序は、以下のようなものです。最初に、自分が同種の人間を攻撃しようとしていると脳が認識すると、無意識にPKが発動して、腎臓および副甲状腺の機能を停止させます。これによって、不安、動機、発汗などの警告発作が起きますが、その効果は、学習や、動機付け、暗示などによって、増強が可能です。この段階で、ほとんどの人間は攻撃を中止しますが、なおも攻撃が続行された場合には、低カルシウム血症による強直の発作で窒息死するか、カリウム濃度の急増によって心停止にいたるのです」 (I 若葉の季節 7 p.255) 人類に神の力PK=サイコキネシスが宿った時、 人は無言で他人を亡き者にできる。その場合の殺し合い抑制装置。 黙って殺されるなら、殺される前に殺してしまえという、 絶滅へのカウントダウンから逃れるための装置。 人を呪わば穴二つってやつだな。

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