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あるギルドにブルンネンシュティグから一つのモンスター討伐の依頼がきた。 クエスト依頼人:「どうも、今回は少々骨が折れることかもしれませんがあなた方にこのクエストを頼みたい。」 GMらしき者:「どんな事でも遂行してみせるさ。で、内容は?」 クエスト依頼人:「今回はモンスター討伐がメインとなります。タトバ山の山頂にレイスロードと呼ばれるモンスターが生息しているらしく、その者達が近隣の村々を襲い、先に送った騎士団の1師団も壊滅させられてしまいました。このままでは古都にまで被害が及ぶかもしれませんのであなた方に依頼をと・・・。」 GMらしき男:「レイス共の親玉か、いいぜ、エレナ!ライル!クライ!キーラ!いくぞ!」 おとなしそうなアーチャーが返事をする。 エレナ:「はい、マスター。」 一人の白髪のウィザードが杖を振る。 ライル:「・・・・・・」 奥のほうから大きな体をしたビショップが出てくる。 クライ:「みなさんしっかり抵抗揃えていってくださいね。」 すると後ろから悪魔の女性がビショップの足を鞭で叩く。 キーラ:「ウダウダ言ってないであんたはあたしらを守ればいいんだよ!」 GM:「すぐに出発するぞ、急いで用意しろ。」 するとクエスト依頼人が慌ててGMに聞く。 クエスト依頼人:「え!?たった5人で討伐に向かうのですか!?」 GMはめんどくさそうに答える。 GM:「あんたらご自慢の騎士団が全滅したくらいなんだろ?それなら少数精鋭で親玉だけを殺す。無駄な死者は出したくないんでね。」 クエスト依頼人:「わ、分かりました。無事を祈っています。」 GMが依頼人の横を通り過ぎる時にボソっという。 GM:「どうせ俺たちギルドはあんたらの捨て駒だろ・・・・」 クライ:「マスター、出発の用意できましたよ。行きましょう。」 GM:「よし、サッサと終わらせてビールでも飲もう。」 そうして5人はブルンネンシュティグから旅立ちタトバ山を目指した。そして3日ほど通しで歩いていくと、頂上には黒い雲がのしかかる大きな山が見えてきた。そこから流れてくる風が生暖かく、悲鳴のような音を鳴らしながら5人の間を吹きぬけた。 キーラ:「いやぁ、故郷を思い出すねぇ~。」 クライ:「またえらい陰気なとこに住んでいらっしゃったんですね・・・」 キーラがサッとクライを見、 キーラ:「あんた、地獄の炎で焼かれたいの?」 クライ:「私は火抵抗250%ありますから。」 エレナがクスクスと笑いながら言う。 エレナ:「ほんと二人は仲がいいね。うらやましいよ^^」 キーラが先に歩き出しエレナに言う。 キーラ:「あんただっていい男がいるじゃないか。」 エレナは顔を赤く染めながら エレナ:「そ、そんなんじゃないって!」 そうするとライルとなにやら話をしていたGMが、 GM:「何を話しているんだ、今からが大変なんぞ。正面から行ってもザコが多いだろうから裏からいくぞ。」 全員の背中から透けた翼が出る。 ライル:「ヘイストをかけた、一気にいこう。」 そうして全員で駆け出した。 ??:「ここから先は行かせない・・・」 そう辺りいっぱいに声が響いた途端に周りの平原からワイトとリッチの群れが現れた。 GM:「チッ、戦闘開始だ!全員構えろ!!!」 全員の体に冷たい風が吹き抜ける、それと同時にワイトとリッチに向かって天から氷の雨が降り注いだ。 ワイトとリッチ:「ぐあぁぁぁ!」 気味の悪い断末魔とともにワイトとリッチが氷付けになり、そしてサラサラと崩れ去っていく。 エレナ:「まだまだ先は長いんだし大勢の敵は私にまかせて^^」 キーラ:「サブサブ。悪魔にこの寒さは堪えるよ。」 すると普段無口なライルが大きな声で全員に叫ぶ。 ライル:「ふせろーーー!!!!!!!!!」 と同時に全員がふせる。そして紙一重で大きな火の塊が全員の頭の上を通り過ぎる。そして火の塊が飛んできた方向を見ると、さっきの何倍もの数のワイトやリッチ、そして奥には一際大きな黒と紫色をしたレイスがいる。 レイスロード:「また我々を討伐しに来た人間か、前と同じように塵も残らないよう消し去ってくれるわ!!」 GM:「ライル!クライ!後方から俺とキーラを援護しろ!!エレナは周りのザコをなんとかして俺とキーラがレイスロードに辿り着けるように道を作ってくれ!!いくぞ!!」 全員:「了解マスター!」 クライがGMとキーラに全支援をかけ、ライルが相手の眼前にメテオを落とし目くらましをしたと同時にエレナが放った氷雨が相手をどんどん消し去っていく。 GM:「キーラ!奴を鞭で引っ張って少し頭をさげさせてくれ!そこを俺が切り裂く!」 マスターとキーラが全力で走りながら会話をする。 キーラ:「まかせてよ!」 キーラが鞭を限界まで伸ばしてレイスロードを引っ張る。 キーラ:「元々あんたらが大嫌いだったんだよ!おとなしく斬られな!」 マスターがそれと同時に飛び上がる。しかし、レイスロードはビクともしない。 レイスロード:「愚かな・・・たかが人間と地上界でふぬけた悪魔に我が斬られるはずなかろう。」 レイスロードの両手が赤く、そして大きく光る。 レイスロード:「さぁ、燃え尽きろ。」 レイスロードの手からさっきの火の塊が召喚される。そしてそのまま火の塊がキーラにもの凄いスピードで向かっていく。 キーラ:「これは・・・・クッ・・・・」 キーラが避けれないと悟るとスッと目を閉じた。しかし直撃は免れたようだ。なぜだと思い前に目をやると、クライが背中を向けてキーラの前に立っている。 キーラ:「クライ!!なんで!!」 クライがドサッと崩れながら言う。 クライ:「いやぁ、自然と体が動いてましたね・・・・、さすがに自分でも直撃はきつかったみたいです・・・・・生きて・・・・ください・・・・ね・・・・・」 そういうとクライの目から光が消えた。 キーラ:「やだよクライ!!目を開けなよ!!!!!こんなことになるならもっと普段から・・・・・・」 そうキーラがクライの亡骸に話しかけている間にキーラの周りをリッチとワイトの大群が囲む。 GM:「キーラ!!囲まれているぞ!!!早く逃げろ!!!!!」 GMの悲痛な叫びもキーラには届かずその場を動かない。ワイトとリッチの手が赤く染まり。一斉に火を放ち、キーラとクライのいた場所に火柱があがる。 キーラ:「クライ・・・あんたはあたしの炎で焼いてあげる・・・・・あっちの世界が本当にあるなら・・・・また・・・・一緒に・・・ね?」 エレナ:「キーーーーーラァァァァァァァ!!!!」 走り出すエレナをライルが必死で止める。 ライル:「落ち着くんだエレナ!!まだするべきことがあるだろう!!今から全魔力をお前に預ける、渾身を込めて氷雨を降らせるんだ!!!」 そういうとライルの体を大きな光が包む、そして足先から小さな光の玉に分かれていきエレナの体の中に入っていく。 エレナ:「ダメだよライル!!!!それをしたらこの世に存在できなくなる!!!」 ライル:「いいんだ、あとはお前しかいない、GMを支えろ。我が魔力は永遠にお前たちと一緒だ。」 そういうと完全にライルの姿が消えてしまった。エレナは大粒の涙をいくつも流しながら、 エレナ:「ライル・・・分かったよ・・・」 前線の方からGMの叫びが聞こえる。完全に冷静さを失っているようだ。 GM:「うぉぉぉ!!!!よくも仲間を!!!!!」 GMがレイスロードに剣をかざしながら駆け寄る。 レイスロード:「さぁ、次はお前の番だ・・・・燃え尽きろ。」 レイスが手のひらを空に向ける、するとGMの足元に赤い魔方陣が表れた。 レイスロード:「終焉だ・・・小さき者達よ・・・・」 赤い魔方陣が一層大きく光、炎が足元から吹き出てきた。 GM:「くそ!」 素早くかわそうとするが一足遅かった、天にも届く大きな火柱がGMの左腕を根っから持っていってしまった。 GM:「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 GMの左半身を気が飛びそうになるぐらいの激痛が襲う。しかし、誰かが手を当ててその部分を凍らせた。 エレナ:「マスター、下がっていてください。私とライルの魔力を使い、この辺一体を氷の大地に変え、レイスロードごとここに封印します。」 GM:「何を言ってるんだ!一緒に逃げるんだ!」 エレナはGMに背を向けたまま続ける。 エレナ:「このままでは絶対に逃げ切ることは不可能です。私が絶対に食い止めます。マスターはこの事をブルンネンシュティグに伝えてください。」 エレナの体が宙に浮き水色と深い青色に光りだす。 GM:「ダメだ!!!やめろエレナ!!!お前まで俺を残して死ぬな!!!!」 エレナ:「マスター、南東の方にこの世のものとは思えない美しい場所があるそうです・・・みんなと行きたかったですね・・・・・・・・マスター・・・御武運を・・・・・・・・・」 エレナの周りからいくつもの光の輪が水面の波紋のように広がる。するとワイト、リッチたちが氷漬けになっていく。 レイスロード:「グッグググッグウ、ありえない!こんな大魔法を人間が使えるなど!!!くそぉぉ!!もう少しで!!もう少しで地上界を制圧できたはずなのに!!ぐぁぁぁぁぁ!!」 大きな大きな氷の塔がレイスロードを包み込む。そして、GMの目の前にはエレナの姿はなかった。 GM:「うぉぉぉぉぉ!!!!なぜなんだ!!!!なぜ誰も守れなかった!!!!最後の最後に全員に助けられて生きながらえるなんて!!!!!くそ・・・・くそ・・・・」 何度も何度も氷の地面を残された腕で叩きつける、しかし、彼の悲痛な叫びは誰にも届かない・・・・・
もう何日経ったであろうか・・・・やっとの思いでブルンネンシュティグに着いた。 ボロボロになった鎧と服それを見た人々は軽蔑の眼差しで彼を見た。 ゆっくりと歩いていくとあの依頼人が駆け寄ってきた。 クエスト依頼人:「さすがですね、まさかあの化け物本当にたおしてくるとは・・・さぁ、これは報酬です。一人では多いでしょうがね・・・」 少し間を空けた後に片腕の男は言う。 片腕の男:「もう・・・剣士としての誇りも・・・地位も・・・・幾度となく死線を乗り越えた戦友も失い、大切な人までも失ってしまった・・・・・・俺に出来るのは・・・・・・・。」 そう独り言のように呟くと男は古都から東の方へと歩き出した。 たった一つ残された自分の居場所を探しに・・・・・。
アート:「ねぇお兄ちゃん!!ねぇってば!お兄ちゃん聞いてる!?さっきからずーーーーっとボーッとしちゃって!早くもっとお花摘んでよね!」 片腕の男:「あぁ・・・すまない、少し待っててくれ。」 といい残し片腕の男は花畑の中央へと歩いていく、そして弓、棍棒、杖、鞭を静かに花の上に置く、 片腕の男:「ここでいいかい?ここならみんなでまた楽しく飲んだりできただろう。俺はまた大切なものを見つけたんだ。だからあともう少しだけ戦ってからそっちに行くよ。」 そういうと、幻聴か、片腕の男の耳に聞きなれた声が聞こえた。 ???:「マスター、御武運を・・・・」 片腕の男:「あぁ、ありがとう。」 そうして男はアートの方へと戻っていく、目には剣士としての輝きを戻しながら・・・・・
第3章に続く・・・・・・・・・・・
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