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テーマ:海外生活(7808)
カテゴリ:マラウイの学校
マラウイのある学校で、サッカーの公式試合の最中、
判定に不服をもったA教師が、審判に異を唱えたそうです。 マラウイでは教師が生徒とともに、 あるいは先導して審判をなじるのが一般的なのか、 地区のsports master & mistressを対象にした研修会でも、 「誤審があった場合、引率教師はいかにふるまうべきか」 という議題もありました。 A教師の抗議の後、生徒たちが審判に詰め寄ったため、 同校のsports master B教師が体を張って止めに入りました。 試合の続行は不可能となり、審判は怪我をすることなく 帰宅できましたが、生徒たちは不満を抱いていました。 B教師は、生徒が自分たちのふるまいを反省しない限り、 次の試合の参加辞退もやむを得ないと考えていましたが、 同校のsports mistressは、地区優勝のかかった時期だからと、 試合への参加を重視しました。同僚の同意も得られず、B教師は 「生徒は自分たちが正しいと思っており、 味方になってくれたA教師を信頼している。 自分はsports masterを辞め、A教師に引き継いでもらうべきだ」 と、かなり悩んでいました。私は、 「生徒たちの行動が、A教師に誘導された部分も否めない 難しい事例とは言え、生徒の暴力・暴言には敢然と立ち向かうべきだ。 私たちは生徒の友達ではなく、教師であり、 時には厳しく、人として、してはいけない基準を伝えることも必要だ。 とりわけサッカーは、マナーを重視するスポーツではないか。 このままあなたがsports masterを辞めたら、 生徒は自分たちの行動を正当化してしまう。」 と、B教師を励ましました。 B教師が学校長に経過を説明したところ、学校長はB教師の考えを支持。 sports masterとしての判断も評価してくれたそうです。 優勝のかかった試合でも、生徒たちの考えやふるまいによっては 参加辞退もやむを得ないという学校長の承認をもって、 B教師は生徒と面談しました。 生徒たちは、あれは誤審であり、 自分たちは間違っていないと主張したそうですが、B教師は 「サッカーは、国際大会で誤審があっても、プレイヤーはそれに従う。 マラウイの高校の試合で、質の高い審判を求めても困難であり、 次の試合も同じ審判の可能性が高い。彼の判断に従うことができるか。 できなければ、参加辞退もやむを得ない。皆でよく話し合うように」 と、話したそうです。 数時間後、生徒たちは、 審判に従うから、試合に出たいと申し出たそうです。 この経過をふまえ、学校長は全校集会で、 「審判の判断に従えず、前回のような威嚇行為が再度行われたなら、 部活動、試合への出場を禁止する。学業に専念するように」 と明言してくれたそうです。 私がB教師に語った、 生徒の暴力・暴言を決して許してはいけないという基準と、 その基準を揺るがさない教師としての役割は、 定時制高校に勤務していたから身についた感覚であり、 自信を持ってB教師を励ますことができました。 私の英語力でどこまで伝わったか心許ないですが、 一人の教師として、一人のマラウイの教師に、 教師観、教育論を必死で伝えることができた、 日本での経験が活かされたと、初めて感じられた瞬間でした。 サンタさんは来ましたか? 我が家にはまだ・・・ 今日も お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 25, 2008 11:48:09 AM
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