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ままくんカフェ

April 11, 2007
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ジョシュア・ベルの演奏もラッシュアワーのワシントンで無視


アメリカを代表するヴァイオリニスト、ジョシュア・ベル氏がワシントンポストとのプロジェクトでワシントン地下鉄の構内でストリートミュージシャンのフリをして早朝ラッシュアワー時に43分間の演奏を繰り広げました。
模様はビデオテープにしっかり収められています。

ワシントンのランファン・プラザを通勤するのは殆どが政府関係の役人達。さて彼らはベル氏のクラシック音楽にどう反応したでしょうか。


ワシントンポストの長い記事です。
分けて掲載します。


その1
******************

朝食の前の真珠
ジーン・ウェインガーテン


首都ワシントンの地下鉄のランファン・プラザ駅。
エスカレーターと出口の間にあるスペース。
壁に背を向け、ゴミ箱のそばで、ジーンズ、Tシャツでワシントンナショナルズの野球帽をかぶった若い白人の男性がなにやら小さなケースを開けてヴァイオリンを取り出します。

開いたケースを足元に置き、種銭として1ドル札数枚と小銭を投げ入れます。

ラッシュアワーに行き交う人たちに向かって演奏を始めます。
時間は朝の7:51、1月12日金曜。
このヴァイオリニストは43分の間、6曲のクラシック音楽を弾きます。
その間行き交う人は1097人。殆どが職場に向かう人たちで殆どは政府関係の職に従事しています。
政策分析、プロジェクトマネジャー、財政審議官、その他専門家などの、政府の中級官僚達がほとんどです。

ストリートミュージシャンはワシントンでは良く見かけられる光景です。
喧騒の中で通行人は様々な選択肢に直面する事になります。

立ち止まって音楽を聴くでしょうか?
後ろ髪を引かれながらも仕事に遅れたくない、お金を無駄に使いたくないと思ってただ通り過ぎるでしょうか?
気の毒なので1ドル札を恵むでしょうか?
もし演奏がとても上手かったらどうするでしょうか?

美しいものを楽しむ時間はあるでしょうか?楽しむべきではないでしょうか?
心理的にどんな計算が繰り広げられるのでしょうか?

ジョシュア・ベル氏はクリスマス前に、我々のこうしたプロジェクトを持ちかけられました。
丁度彼は、フリッツ・クライスラーの所有していた楽器を試し弾きするために国会図書館を訪れていました。

「どうかな、このヴァイオリンでクライスラーの曲を引っさげてツアーをするというのは。」
そんな事を我々と話していたところでした。

「普段着でラッシュアワーの通行人に向かって弾く事は可能でしょうか?」
という質問に...

「つまり、(ストリートミュージシャンの)フリをするってこと?」

「そうです。ちょっと不可能でしょうかね。」

「面白そうじゃない。」


ベル氏はプロジェクトに参加することに合意してくれました。


*********

レナード・スラトキン氏の予測

「ワシントンポストのプロジェクト-もし世界的なヴァイオリニストが地下鉄の駅で演奏をしたらラッシュアワーで行き交う1000人以上の大衆はどう反応するでしょうか?」

指揮者レナード・スラトキン氏は、我々の質問に答えました。

「音楽が素晴らしい事に気づいた人達がちらほら立ち止まるに違いない、ベルだと気づいた人たちで人だかりができるかもね。
そうだね、大衆が単なるストリートミュージシャンだと思ったら...それでも、彼が物凄く上手かったら、みんな気づかないはず無いと思うよ。
ヨーロッパでやったら凄い聴衆の数になると思うが...
そうさね、1000人の大衆がいるとしたら、35人から40人ぐらいが音楽のレベルが高い事に気づくと思う。多分75人から100人が立ち止まって聞くんじゃないかな。」

「大衆は集まるとお考えに?」

「もちろんだよ。」

「では、これでどのくらいお金が集まるでしょう?」


「150ドルぐらいかな。」

「マエストロ、有難うございました。これは仮想ではなく実際に起こったのです。もう事実行われました。」

「で、僕の予想はどう?」

「ちょっとお待ちを、今お答えします。」

「で、誰だったのそのヴァイオリニストは?」

「ジョシュア・ベルです。」

「まさかでしょ!!!」


*********************

ベル氏のヴァイオリン

ベル氏のヴァイオリン~ストラディヴァリウス黄金時代1713年製、推定3.5億ドル

ベル氏はホテルからタクシーでわずか3ブロック先の地下鉄駅まで出かけました。別に具合が悪いわけではないのです。これは1713年という高価な楽器の為なのです。いわゆるストラディヴァリ黄金時代の作品。

「アコースティックに対する知識はまだまだ判ってませんね。でもストラディヴァリは知っていたのです。
ヴァイオリンを作る木はどこもアコースティックの為に完璧な厚さでできているので、僅か1ミリでも木版を削ったら音は台無しになってしまいます。」


1710年代のストラディヴァリウスが未だに最高とされています。

「僕の楽器はニスを塗り替えた事が一度も無いのです。このニスもオリジナルのままです。美しい音の理由がニスにあるとも言われています。
ヴァイオリン作りのために製作者は色々と秘密のニスを考えるのですよ。」

ストラディヴァリは蜂蜜、卵白、サハラに生えているゴムの樹脂などを調合してニスを作ったとされています。


ベル氏のヴァイオリンは数年前にそれまでもっていたストラディヴァリウス製の楽器を売ってさらに借金をして手に入れたもので推定350万ドル(約3.8億円)といわれています。

*************

続く






最終更新日  April 11, 2007 12:28:26 PM
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