2016/12/01(木)02:53
汚職逮捕ウリュカエフし後継者に34歳最年少オレーシキン氏を抜擢〜財務大臣シルアノフ氏「彼はマクロ経済学専門、市場関係はどうか?」と疑問
逮捕されたウリュカエフ氏の後継者、経済発展省(日本の記事では開発省となっています)大臣に34歳最年少大臣オレーシキン氏
RIA
プーチン大統領は正式に強要・収賄で逮捕され免職となったウリュカエフ経済発展省大臣の後継者としてマキシム・オレーシキン氏を任命しました。
Заместитель министра финансов Российской Федерации Максим Орешкин
© РИА Новости. Григорий Сысоев
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プーチン大統領はオレーシキン氏と会談し経済発展省大臣のポストを依頼。このポストはウリュカエフ元大臣が200万ドルの収賄の角で逮捕されたために空白となっていました。
オレーシキン氏は快諾。
34歳になるオレーシキン氏は現在内閣で最年少の大臣となります。商業省大臣のニコライ・ニキフォロフ氏は1ヶ月「年上」です。
プーチン大統領はオレーシキン氏に対し現在省管轄で最も重要となる課題に関し言及。
「来年の大きな課題はロシア経済成長にとって組織的な障害を取り除く政策を準備し行うことです。」とオレーシキン氏。
これに対し財務大臣のアントン・シルアノフ氏は「オレーシキン氏は優れたマクロ経済学者。マクロ経済学分野の方が才能を発揮できると思うが、市場の方ではどうだろうか。」と疑問も投げかけました。
さらにシルアノフ氏は「財務省と経済発展省が統一見解で今後の政策を打ち出すことができるとも発言。両省庁間の意見の食い違いは新しい大臣の任命で速やかに解決され経済にとっても良い影響をもたらすだろう。」とも。
(*ウリュカエフ氏の逮捕の陰にはひょっとしたら財務省との確執があったのかもしれません。)
メドヴェージェフ首相はオレーシキン氏に「是非頑張って欲しい。新しい大臣は内閣にすぐに溶け込み、発展省の課題をこなしてくれるだろう。」と述べました。
オレーシキン氏の任命でルーブルの為替レートは中立な反応。ルーブルは原油価格が上昇したため、ドルとユーロに対し上昇し続けています。
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オレーシキン氏の経済関係の主要見解〜現実的、冷静なエコノミスト
RIA
ルーブル為替レートに関し
「ロシアには中央銀行がありここで公式為替レートを発表しているが、これは市場原理に基づいた者だ。従って市場の外的理由でレートは変わり、予想はできない数字である。」
原油価格に関し
「基本的には長期的見通しに従い組織的に安定した価格を見極めそれを元にマクロ経済政策を打ち出していくことだ。
1バレル70から80ドルといった価格は期待しない。
現在バレル当たり40から50ドルというのが相場だ。それよりたかねとなってもいっかせいのもので、これをあてにしてはいけないしそれを元にした経済計画はすべきではない。
これより低い価格も起こる可能性がありその場合には促進政策をとって切り抜けなければならない。ともかく現実的な原油価格は40から50ドルとみなすべきだ。」
ロシア経済の歪みに関し
「ロシア経済は成長速度を早めるために構造的なゆがみを解消しなければならない。主な歪みは国民生産高に対する低い投資比率で、17から18%となっている。明らかにこの投資レベルでは経済成長率1.5%以上は望めない。」
経済促進のための「アクセル」に関し〜プライベートセクターが投資を元手に収益率を上げることが唯一ロシア政策の救済策
「経済促進のためのアクセルとなるのは政府外の組織やプライベートセクターの経済だ。
この2、3年間の間にプライベートセクターが資本投資を元に収益率を上げることを願っている。これ以外にロシア経済成長の速度を速める方策はない。」
中国経済に関し〜資本流出が続き不安定な状況
「中国の成長モデルは内部構造の歪みからくる弊害が積み重なって現在不安定な状況で発展にも支障が生じている。これは何度も申し上げている。
最新のデータでは資本流出の大きな波第2弾が押し寄せており、ここ数ヶ月間の流出はそれまでよりもさらに大きな額となっている。
この傾向が一時的なものである可能性もあるし、政策が悪いために起こっているのかもしれない。」
オレーシキン氏はウィキペディアによると、モスクワの経済高等学院で修士号を取得、その後ロシア中央銀行の分析家、民間銀行ロスバンク、さらにVTBのアナリスト、農業投資銀行のロシア、CIS諸国分析チーフアナリストとして勤務。その後財務省の政策部長として従事したのち昨年から1年間シルアノフ市の元で副財務大臣を務めています。