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2008/03/11
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カテゴリ:BOOKS
ドキュメンタリー映画『』の森達也さんの、著書としての「A」が、ひと月ほど前に、私の敬愛するあるブロガーさんのところで紹介されていました。

しばらく忘れていた森達也氏の名を目にして、その「優しい視点」を思い出し、「何か森達也視座のもの」が無性に読みたくて、久し振りにインターネットではない書店を訪れたのがちょうど2月20日前後でした。

まるで、私が求めていたのを知っていたかのように(笑)、講談社新書から新刊が出ていました。
それも、バッチリ、その時点の私がまさに求めていた「森達也」でした。

ハードカバーの『死刑』も平積みだったのですが、それはボリューム的にも内容的にも、最近の私には、ちと重すぎなので、数日の差で逃していたかもしれない新書の『視点をずらす思考術』を手にした時は、久々に本屋での「ひとりニヤリ」。

私が一人で本屋へ行って一番困るのが、この「ひとりニヤニヤ」が出るシーンです。
心の中で密かに「やったねっ!」などとガッツポーズで、それだけで収めきれずについ顔に出てしまい大笑い、挙句、その緩んだ顔の筋肉のまま、誰かと目が合って、あわてた素振りで目をそらされ・・・私ってかなりアヤシイ人雫・・・っていう、そんなことがありませんか?

視点をずらす思考術/森達也著

[視点をずらす思考術]森達也著


 私の手にしたこの新書、帯には、

「空気を読むのをやめてみないか!」

とあり、パラパラと眺めたその本の最初の方のページには、「天然」なんていう言葉も出てくるので、年頭から「天然」を自認しなければならないハメに陥っていた私としては、この本に、これ以上ないくらいのを感じました。

もともとが私が大好きな思考パターンの森達也氏が、ここ数年にわたり様々な場所で寄稿文として発表していた小文を、それぞれ大幅加筆修正して編集、出版した本なので、大急ぎでまず1度目、ざっと読み終えた時には、まるで自分がそれを書いたかのような錯覚(・・・これでは、ますます怪しい人です-苦笑-)
---と、まぁ、それは言い過ぎとしても、読み終えた最後のページからもう一度、表紙から目次へとローテートシフトしてしまいました。

徹底した、善悪・敵味方等の二分化の行き着く先にある「優しさの凶暴化」や、あるいは「絶対的正義」を求めるあまりの暴力的手段の選択という、「独善の危険」を、繰り返し、森達也は警告します。

また、森達也は、生物としては圧倒的に脆弱であるヒトがヒエラルキーの最頂点に達した時、「遺伝子レベルの刷り込み:天敵への恐怖」から、新たな仮想敵として見出したのが「違う共同体に帰属する同族」だ、と言います。

うん、確かに。
私(たち)は歴史などという大仰なものを持ち出さずとも、自分が帰属する小さな集団や町内会レベルの市民社会で、互いのプロパティの小さな差異を言い募り、カテゴライズ不可なものを排斥しようとしている様を、日々、見ています。

ヒトは弱いです。あまりにも弱いから、「一人で頑張ろう」と孤高たらんとする人の強さには恐怖を感じ、そのような群れない人を、理解不能な相手として「敵」として囲い込んで安心を得ようとします。
一方、「孤高たれ!」と自分を鞭打つ人がいたとしても、やはり、ヒトという「群れる種」としての弱さから逃れられるものではありません。
人は人を求めるように創られているのですから。

と、こう書くと落とし所が宗教じみてくるので、この本のレビューとしてはふさわしくありませんが、でも、禅寺での修行の日々や、『A』をどうしても撮りたかったという森達也の根源を思う時、そう間違ったオチではないようにも思えます。

まずは、「羊たちよ、羊でいいから、たまには視点をずらして、ヤギの目で世界を見てみよう」と、

【ヤギの視点も持ち合わせたハイブリッド羊のすすめ】

を説く森達也のこの本、今だからこそ、私も、強力にプッシュしたいです。

そうそう!
ひたすら口当たり良い森達也の語群の中で、決して読み落として欲しくないのは、

「突出したヤギというカリスマへの過剰な忖度」に対する警告。

講談社現代新書:No1930 森達也著『視点をずらす思考術』---

森達也の個性としての「優しさ」「KYの強さ」が、このわずか200ページ10mmにも満たない新書本に、ギッシリ詰まっています。
せひお読みください。

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最終更新日  2008/03/11 08:52:07 AM
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