秀吉は異常なほどに「情が深い」
------引用文------------
秀吉の異常さのひとつは、
その情愛のふかすぎることであろう。
壮年のころはそれを自制した。
晩年にその箍がゆるんだ。
-----------------------
それぞれの養子たちに、愛情をそそいだのも本心であり、
また、逆に、
無常に突き放すのも本心である。
養子のひとりである、
徳川家康の実子、結城家康は、
実父の家康よりも、この養父・秀吉に愛情を感じ、
慕っていたようだ。
また、晩年、秀次に対して、
その子(4男1女)及び正室・側室・侍女ら併せて39名を
ことごとく執拗なまでに処刑したのも、
秀吉である。
その背景を語るには、
秀吉が、いかに無類の女好きであったか、
という事から始めねばならない。
それも、高貴な女が大好きだった。
側室は、堂々たる面々だ。
正室
北政所 | 杉原定利の娘 |
---|
淀殿 | 浅井長政の娘・茶々 |
---|
南殿 | 浅井家縁の娘 |
---|
徳子 | 孝蔵主の弟・川副正俊の娘 |
---|
南の局 | 山名豊国の娘 |
---|
松の丸殿 | 京極高吉の娘・竜子 |
---|
加賀殿 | 前田利家娘・摩阿 |
---|
甲斐姫 | 成田氏長の娘 |
---|
三の丸殿 | 織田信長の娘 |
---|
三条殿 | 蒲生賢秀の娘・とら |
---|
姫路殿 | 織田信包の娘 |
---|
広沢局 | 名護屋経勝の娘 |
---|
月桂院 | 足利頼純の娘・嶋子 |
---|
安楽院 | 地侍の娘。お種の方、香の前とも |
---|
円融院 | 三浦能登守の娘・おふく(法鮮尼)。宇喜多秀家の母) |
---|
あきれた!!
主君・織田信長の娘と孫にまで手をつけている!!
なんて大胆!!
これは、
自身の出自が卑しいがための
秀吉のコンプレックスの表れだ。
こんなに側室がいても、
一人一人に細やかな気遣いを見せる。
とてもマメで器用な秀吉は、
"憎めない人"であったようだ。
この中から、どうしても二人の女性をクローズアップしなければならない。
北の政所(おね)
| 秀吉の正室であり、
貧困時代から苦楽を共にし、
内助の功で、豊臣政権を築き上げた女性。
秀吉は、誰よりも彼女を立て、
誰よりも必要とし、
誰よりも彼女そのものを愛し続けた。 |
---|
淀君(茶々)
| 秀吉の側室ではあるが、
憧れの「お市の方」の長女であり、
よく似た美貌の持ち主であり、
極めつけは、秀吉の子・秀頼を生むことで、
特別な存在となる。
彼女そのものというより、
その血統を愛したのではないか? |
---|
淀君から実子・秀頼が誕生することによって、
大きく歴史は変わる。
老年になって子供に恵まれたら、
現代の男性でも、愛おしさのあまり、狂うのではないだろうか。
秀吉は、狂ってしまった。
また、あせった。
その時から、秀吉の「情の深さ」は秀頼一点のみに絞られる。
そこで、いろんな説がある。
果たして、秀頼は本当に秀吉の実子なのか???
私は違うと思う。
こんなに沢山の側室がいて、
秀吉はメッチャクチャスケベ親父なのに、
誰一人として、子供ができなかった。
なのに、
どうして淀君にだけできる!?
しかも、2回も!!(一人目は幼年期に病死)
あまりにも不自然で、おかしすぎる!!
では誰の子??
父親は誰か?という事になる
「大野冶長」である可能性が高い。
彼は、淀殿の乳母である大蔵卿局の子であり、
秀吉の死後も、
最期まで秀頼の側近として仕えている。
最も有力な説だと思う。
そこで、もう一つの大きな疑問!
秀吉はこの事を、知っていたか?知らなかったか?
あの抜け目のない秀吉が、
全く気付かないわけはないと思える。
が、
この時期はかなり老耄していたので、
喜びのあまり、全く疑わなかったか??
豊臣政権存続の為に、
知った上で実子と信じたふりをしていたのなら、
なかなかの大した役者だ。立派なものだ!!
でも、
知らなかったのなら、
最期の最期まで、秀頼を溺愛し、
豊臣の行く末を案じた秀吉は、
あまりにも哀れで、
一時の華やかな頃を思うと、
とてもとても、惨めだ。
天下分け目の「関ヶ原の戦い」も、
裏を返せば、実のところ、
この彼女達の戦いとも言えるのだ。
北の政所VS淀君=関ヶ原の戦い
もう少し詳しく言うと、
北の政所率いる尾張系武将の福島正則、加藤清正
VS
淀君率いる近江系武将の石田三成、長束正家
という、豊臣家の分裂が秀吉の死後に浮き彫りになり、
そこに徳川家康がつけ込んだ戦だった。
「秀吉」という支柱がなくなれば、
崩れるべきして崩れてしまうのが、自然だった。
------引用文-------------
豊臣家の栄華は、
秀吉という天才が生んだ
ひとひらの幻影のようであったとすら思える。
------------------------
北の政所は、
豊臣が滅んだ後も、
徳川家康に大事にされ、
長生きしている。
彼女の時代を見る慧眼と立ち回りの良さは、
一見、その気さくな雰囲気の裏にある
究極な"女のしたたかさ"を感じずにはいられない。
この二人の女の戦いは、
おねの完全なる勝利なのだ!
今年の大河ドラマ「江~」も、
かなり脱線はしているが、
彼女たちの今後の戦いをどう描くかが見ものだ!
きっと、
少女マンガのように、
きれいごとで片付けるんやろーな…
このことに関しては、
まだまだ詳しく語りたいことはあるけど、
キリがないので、このへんでやめておく。