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カテゴリ:読書
なあんて、すごく重いタイトルの日記かと思われたでしょうか?
3日も日記を更新していないので、何やら重大な出来事でも?とか。 まあ、それが理由といえばそうも言えるのですけど、実はこれ、 読んでいた本のタイトルです。 アメリカ・ミステリ界の大御所、ローレンス・ブロックのマット・ スカダーシリーズの久々の新作を、図書館に予約していたのが、 先日届き、それを昨日読んでいたのでした。 仕事が片付き、ようやく気分的なお正月が来たせいか、なんだか 眠くて仕方がありません。一昨日は金曜日だから夜更かしするぞ って思っていたのに、気付いたら更新もせず、いつもより早く ドテッと眠ってしまっていました。 昨日は、お天気が良かったので、布団を干して、洗濯物も、面倒だ けれど乾燥機を使わずに外に広げて日に当ててなんてしていたら、 それで、もう午前中は潰れてしまい、大変大変、家事で一日を終わ らせるなんてもったいないと、お昼前に、急いでゴロゴロ読書に とりかかりました。 我が家では、ゴロゴロできる和室は真東向きで、冬は3時を過ぎると 日が翳ってくるので、ゆっくり家事をしてからのんびりしましょ なんて思っていると、一番いい時間が過ぎてしまいますから、気が 急いて、お天気の良い日の家事はついつい手抜きになります。 それにしても、「償いの報酬」、ごろ寝で読むには不向きじゃない の?と思うくらい、「いかにもハードボイルド!」という感じの、 ノスタルジックとさえいえるタイトルですよね。 若い頃は、日本のミステリには見向きもせず、海外ミステリばかり 読み漁っていましたが、日本人作家に力がついてきて、読み応えの ある作品がたくさん書かれるようになった最近では、逆に日本人 作家の作品を読むことの方が多くなりました。 ただ、ハードボイルドは、あの持ってまわったような言い回しと、 気取った文体も魅力のうち。それを、お笑いに逃げずに大真面目に 日本語で出来る作家さんは、あまりいない気がします。 だから、ハードボイルドは、やっぱり外国ものという思い込みで、 海外ミステリを読まなくなると同時に、ハードボイルドとも、 縁遠くなってしまいました。 さて、久しぶりのハードボイルド「償いの報酬」は、アル中で 元警官の探偵マット・スカダーが、AA(アルコホーリクス・アノニマス) の集会に通い始め、禁酒を続けて1年たった頃、幼馴染で犯罪者に なっていたジャックとAAの集会で再会したことがきっかけで巻き 込まれた事件が、70代になったマットの回想という形で描かれ ています。 ジャックが、自分のアパートで眉間と口を銃で撃たれて殺されたの は、AAに参加して、犯罪とは手を切り、12あるAAの禁酒ステップの 9番目を実践していた時でした。このステップは、その人がこれ までの人生で傷つけた全ての人に、埋め合わせをするというもの でした。常習の犯罪者であったジャックは、この「埋め合わせ」を する中で殺されたと考えられ、彼の助言者であったグレッグは、 ジャックが書いた傷つけた相手のリストを警察に提出すべきかどう か悩み、マットにリストに載った人たちの調査を依頼します。 調査の結果、ジャックが傷つけたと考えた相手の中で、今も生きて おり、彼を殺す機会のあった5人がすべて犯人ではないとマットが 結論を出し、警察にはリストを提出せずに事件の捜査も終わりに しようと二人が決めた後で、リストに載っていた一人が路上強盗に 殺され、グレッグも自殺としか思えない状況で死んでいるのを、 マットが見つけます。そして、マットが禁酒1年目を迎えようとした 日に、住まいであるホテルの部屋の扉を開けると、室内には酒の 香りが充満し、蓋の開いたバーボンのボトルと、なみなみと注が れたオールドファッショングラスがテーブルに置いてありました。 リストの中の一人マークは強盗に殺されたのではなく、ジャックも その助言者グレッグも、同じ犯人に殺され、自分もその犯人の悪意 にされされていると考えたマットは、自分を守るためにも、調査を 再開し、犯人に行きつきますが。。。 ちょっとネタバレになりますが、マットは、この犯人の名を警察に 告げることも、制裁することもしませんでした。 途中で、わたしにも犯人が推測できたくらいなので、ミステリと しても、ちょっと緩いかもしれません。 70代のマットの40代後半の頃の、パソコンも携帯電話もない時代の 出来事という設定なので、マットが、壊れていない公衆電話を探して 走り回ったり、今なら検索で簡単に犯人に行きつけそうと感じたり する場面もあります。 人物描写や心理描写はさすがに巨匠、とても巧みですけれど、今、 この時代に発表される作品として読んだら、もしかしたら、いい 評価なんかできないのかもしれません。 でも、シリーズの多くの作品の登場人物が、台詞のあちこちにちり ばめられていて懐かしかったり、また、アルコール依存症とは縁の ないわたしが、禁酒1年目の記念日を明日に控えたマットが、 アルコールの充満した部屋のドアを開けた場面では、彼の恐怖をまざ まざと共有して、作者がプロットに込めた以上の憎しみを、犯人に 感じてしまったり、なんだか、まるで昔からの知り合いに出会って おしゃべりをしているかのようで、作品の良しあしなど二の次みたい な気分になっていたようです。 こんな、内輪褒めみたいな日記をアップするのって、どうなのと 言われてしまうかもしれませんが、なんだか、こういう緩い気分も いいなあって、今日はそんな気がしているmamatamなのです。 なんだか、自分勝手ですみません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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