本社移転 禍福は糾える縄の如し
前回の記事を読んでコメントくださった皆様、どなたも「移転」の言葉に敏感に反応されて、わたしのことを心配するコメントをたくさん戴きました。ありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいになりました。でも、経営はもう息子に代わっており、実際に事に当たっているのもほとんど息子です。わたし自身は、頼まれれば書類手続きなどには手を貸すものの、それ以外は手も口も出さないことにしています。ですから、なんの影響もないというわけではないにしても、大きな負担はありません。その移転ですが、引越し先はなんと今のわたしたちの自宅の隣地なのです。面積は我が家の敷地より広いですが、カギカッコの内側に我が家の建物がすっぽりおさまっているような、いわゆる旗竿地という、表通りへの開口部が狭い変形地。売りに出ているという話を聞いた時、我が家以外に買い手がつくかしらと思いました。実際、我が家に打診があり、その時はかなり強気な価格設定で、mamatam社の身の丈には合わないお話だったのでお断りしたのですが、それから何年か後に再度不動産広告が出た時には価格も下がっていましたし、なんとかいけるのではということでmamatam社として交渉を始め、実は、昨年の初頭に契約の直前まで行ったのです。もうほぼ決まって社内で手付金の話などしていたそんなタイミングで、やっぱり売らないとオーナーが言い出したと相手方の不動産業者から連絡があり、話は御破算。ところが、そのわずか数ヶ月後に、話を壊したご本人が再交渉したいと言って直接訪ねて来たのです。直接取引との申し出で、それはもちろんご自由にどうぞでしたが、こちらサイドは前回もお願いした知り合いの不動産業者さんに交渉や手続きなどで間に入って戴きました。銀行融資のことなど考えると、手数料を惜しんで素人の自己判断で適当に話を進める訳にはいきません。前回の轍を踏まないように、相手方にこまめに確認をとりながら、不動産業者さんとしっかり連携しつつ話を進め、今年の一月に無事契約完了にこぎつけ、支払いも済んで名義変更も終わりました。前の時も契約成立寸前まで話が進みましたから、並行して見積もり依頼など、建築関係の準備も始めていました。何もかも初めてのコトなので、どの段階でどんな作業が必要で、どういう業者に頼むのか、その業者はどうやって探したらいいのか、見積もりの段階でもうすでにわからないことだらけで、四苦八苦しました。それなのに話が潰れてしまって、ただもう憮然でしたが、資料を処分する間もなくハナシが再燃したのでそれが大変役に立ってくれました。予算感も頭に残っていたので話が早くて、おかげで今もうすでにほとんどの業者との契約が完了しています。敷地は広い歩道に面しているので、その歩道とガードレールの撤去が最初に必要でしたが、歩道切り下げというその工事はすでに終わっています。測量もガス管の撤去も済んでいて、連休明けには敷地内の建物の解体工事も始まりました。あんなに苦労してはて?はて?と頭を抱えたことが嘘のようなスムーズさでした。禍い転じて福と為すってこのことですね。今、世界がいきなりこんな大変な状況になってしまったので、この先については資材やら色々心配はありますが、とりあえずはすんなり走り出せて、良かったです。そして、もう一つ驚くことがありました。現在本社として営業しているところは3年契約の賃貸です。4月初めに6月更新というお知らせが来たので、少し早いかと思ったけれど、4月末の支払日に更新料を振り込みました。そうしたら連休明けの一昨日の午前中に、管理している不動産業者の方がいらして、そこのオーナーの方が少し前に亡くなったことを知らされました。業者さんもその日の朝に知ったばかりとのこと。ご家族が話し合いでその物件の処分を決め、その結論と合わせて亡くなったことを知らせてきたそうです。それで、急遽、立ち退いて欲しい旨をmamatam社に伝えにこられたということでした。対応した息子からその話を聞き、最初に頭に浮かんだのがタイトルの言葉「禍福はあざなえる縄の如し」でした。賃貸契約の更新はした上で、新工場の建築工事が進んで移転の時期がある程度見えて来たら、改めて退去の申し出をするつもりでした。ただ、借り手と貸し手ですから、こちらのオーナーとはこの十数年の間に何回か悶着が起きました。なので、退去するに当たってまた何か面倒があるかもと、少々暗澹とした気持ちになってもいました。でも、その前に相手方から申し出があったのなら、こちらは退去する予定だったのですからすんなり応じれば良いだけ、ハナシはだいぶ簡単なのではないかと、ちょっとほっとしたのです。一年前にすんなり契約がまとまらなかったことも、却って良かったのかもなんて思えてきて、まさにあざなえる縄のようと思うわたしでした。