ビーフンとビール
先日のテンツーハンの日記にPhoto USMさんが、天津飯を中国で頼んだら全然違うものが出てきたというコメントをくださって、それを読んでいたら思い出した話がありました。中国に出張で出かけた方のお話です。その方、日本人で、英語はまあまあできるけれど中国語はほとんどわからないというのでした。それもずいぶん昔のハナシなのですけれど、出張先の北京のホテルにチェックインしてから、街を探検に出かけ、何か食べようとレストランに入ったそうです。せっかくだから本場の中華料理を食べたいと思ったけれど、何しろ中国語が話せない。なじみのある中華料理が次々に頭に浮かぶけれどそれを中国語でなんと言ったらいいのかわからないし、メニューを見てもちんぷんかんぷん。そこで、ふと思い出したのが発音が中国語っぽいお料理でした。それは米粉と書いてビーフン、これはきっと中国語に違いないと思って、ウェイターさんに「ビーフン!」と言って指を一本立てたそうです。ウェイターさんは、何やら言って去っていき、しばらくしてお盆をもってやってきて、テーブルの上にビールのグラスを置いたそうです。頼んでないけどと思いながらビールを飲みながら待ちましたがビーフンは出て来ません。これは発音が悪くて間違えられたかと、もう一度彼を読んでビールを指差し、違う!と手と首を振りながら、改めてビーフンと、今度はもっとはっきりした発音を心がけつつ注文したそうです。にっこり笑って戻っていったウェイターさん、しばらくしてまたビールを載せたお盆を持って笑顔で戻ってきたそうです。仕方ないので本場のビーフンを食べるのは諦めて、飲みたくないビールを2杯も飲んでホテルに戻り、お腹もすいたのでレストランで食事をすることにしたのですって。ビーフンは通じなかったなあと思いながら食事をしていたその時、ハタと思い付いたそうですよ。ポケットにはボールペンがあったのだから、米粉と書いて見せればよかったんだ!って。それで通じるのかどうかはわからないけれど、もう二度と試してみる気にはならなかったそうです。この話がわたしはツボにハマってしまい、そのあとしばらくは、スーパーなどで袋入りの乾燥ビーフンを見るとふっふっふと不気味に笑ってしまう発作に襲われ、困ったものでした。でも、もし米粉と書いて無事ビーフンを食べられたとしたら、それはどんなお料理だったんでしょうね?日本のたいていの中華料理屋さんで出てくる野菜の入った炒めたビーフン(焼きビーフン)みたいなのかしら?味付けなんかはどうなのかしら?Photo USMさんの天津飯みたいに、何か全く違うものが出てきたかもしれません。もし食べられていたら、それはそれで面白かったかもしれませんね。