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テーマ:子供の病気(2165)
カテゴリ:レナの病気について
前回の日記の最後に書いたように術後レナ本人にとっても私にとってもまず大変だったのは水分制限でした。
術後体重が急に増えてしまったり体に水がたまったりすると心臓に負担がかかってしまうため、ミルクを好きなだけあげるということはできませんでした。 麻酔からさめたすぐ後のミルクの量は1回たったの30cc。新生児が飲むミルクの量より少なかったのです。点滴やドレーンで体の自由はきかず両手すら自分の思うように動かせない上にミルクも満足に与えられなければ当然 泣くわけです。 そこであらかじめ看護婦さんに用意してほしいと言われていたのが「おしゃぶり」 これに慣れていてくれれば多少泣いてもおしゃぶりを加えて泣き止むしチュパチュパしてるうちに寝てくれる、と言うことなのですが。。。。 実はわたし ニナにもレナにも1回もおしゃぶりを与えたことがなかったのです。 双子が3ヶ月になるまでの超疲れて死にそう(ていうか死んでた)時期、よく雑誌などで「うちの子はおしゃぶりをくわえさせるとすぐ寝てくれます」などという世のお母さんたちの声に誘惑され使ってみようかなあ~と思ったこともあったのですが。 なんとなく抵抗があり結局使ったことはありませんでした。 なんか癖になって大きくなってもはずれなくなったらやだし、なんかあたしの中でですよ、なんか「近道」しすぎてる気がしてイマイチ買う気が起きなかったのです。 さんざん手抜けるとこは抜いて育児してこんなテキトー人間がなにいってんだっってホンと自分でツッコんでますが わかった 今 なんか見た目があれ、やなんだきっと。 赤ちゃんがしてるとみんなかわいいって思うのかなあ?? なーんかわたしはイマイチ。。。。そう思えません。 なのでわたしがそれで育児楽になるなら。。。といった推進派のダンナさんや周りの声も聞き流してその日まできましたが。 その術後はさすがに「おしゃぶりやっぱ使っときゃあよかったあ~!!!!」と思いました。 あんまりレナが泣くのでかわいそうになって。 結局病棟の1階にある売店で急遽ピジョンのおしゃぶりを1つ買ってうええええと泣いてるレナの口に入れてみると。。。。これが効果絶大 最初のうちこそ慣れていないので押さえていないとぺっとだしちゃったのですが、とりあえずミルクが足りなくて泣いたときやぐずったときにぽんっとはめるととりあえず泣き止んでくれたのでものすごく助かりました。しかも雑誌のお母さんたちが言ってたとおり運がよければそのまま睡眠にはいっていくというおまけつき。 おしゃぶりってスバラシイ あんなにおしゃぶり拒否派だった自分が一晩にしておしゃぶり信者に。 それからしばらくはミルク飲ませる→足りなくて泣く→すかさずおしゃぶりでごまかす→しばらくして(運がよければ)ねんね という夢のゴールデンコースが出来上がりさすがに術後しばらくは夜中もそれが繰り返されて寝れないのでかなり疲れてへとへとでしたがそうこうしているうちに少しずつミルクの量も増えていきました。 この頃のわたしのもうひとつつらかったことは昼間ほとんどレナが寝てくれないこと。っていっても仕方がないんです。レナが悪いんじゃなくてせっかくおしゃぶりちゃぷちゃぷしてがんばって寝てもことごとく邪魔されるのです。点滴がまだあったころは点滴が切れれば看護師さんがくるのはもちろん、やれ血圧測定、やれ採血、やれ先生の診察、そして大学病院なので教授回診、そうじのおばさん、(別に個室までこなくていいのに)売店の移動販売、挙句のはてに各個室ごとについているトイレの点検など。。。まあ言い出せばきりがないのですが。。。。せっかく寝せて自分も休もうと思った矢先にこれなのでまあ当然レナも寝れません、そして寝られないので機嫌も悪くなり。。。。という悪循環でした。 でも幸いレナの術後は驚くほど順調でICUから出てきた時点でかなりの数の点滴がはずれ、術後3日目に酸素補助の機械がはずれ、4日には点滴が1つになり大きな心電図のモニターも取れ、術後6日目にはついに最後の利尿剤の点滴がはずれ、点滴全て取れ個室からもといた大部屋に戻ることになりました。そうなると看護婦さんや先生の出入りもそれに伴い少なくなっていきだんだん状況はよくなりましたが! 同時にミルクの制限量も順調に増やしてもらえ、術後9日目にはレナにとってはもうほとんど制限なしと言ってよい(レナは術前はMAXでも1日600程度だったので)1日700ccまで増えたのでした。 と同時にレナのおしゃぶり拒絶も進行していったのです。 もともとレナはニナと違って指を自分でちゃぷちゃぷして一人で寝てくれる。。。なんてこと夢のまた夢でだっこが大好きで寝る前もしばーらく立ってゆらゆらしてあげないとねなかったのです。(ちなみにレナの場合やっと目を閉じて寝かせて、いざ布団に置こうという着地操作には熟練した職人並みの技術を要します)さすがに点滴につながれている間はだっこもゆらゆらもできないわけでおしゃぶりに睡眠誘導を頼るしかなかったのですが。。。。 点滴がはずれ大部屋に戻りまただっこだっこの日常が戻ってきたとたん「そうだ、あたしこのだっこでねるんだったんだわ!」と思い出したとばかりにおしゃぶりを受け付けなくなりました。せっかくはりきって替え!のおしゃぶりまでかったのに。。。。 でもまあこれでよかったんです。おしゃぶりがはずれなーいという悩みもなくなったし。 もとに戻ったんです。うんうん。 そんなこんなでおしゃぶり生活はわずか10日ほどであっけなく幕を閉じたのでした。 大部屋に移ってからもレナは順調に回復し体重もいい具合に徐々に増えていきました。レントゲンや採血検査をしても問題なくついにこれを受ければもうすぐ退院!と看護師さんたちにいわれたエコー検査を術後2週間目のときに受けることになりました。 いつもの外来棟までいってしたエコー検査の結果も 「異常なし」!! 体に水も溜まっていないし術前かなり肥大していた心臓も徐々に小さくはなってきているということで来る看護師さん来る看護師さんに「もうすぐ退院ですね~!!」と言われ明らかに著作権に反していそうなドラえもんの絵が入った「退院のしおり」なるものまで渡された為期待がレナ本人以上に母のほうが高まっていました。 ところが水曜日にエコー検査をして「週末には退院できるんじゃないですか?!」と言う看護師さんの意見に反し、先生はあっさり「じゃあ月曜日にレントゲンとって少し様子を見ながら。。。。。まあ来週末には退院できるかな」 とさらっと言い残していきました。 今週末には。。。。と期待を高めていただけに相当ダメージ大でした。 というのも手術が終わって2週間、「手術が終わるまで。。」「点滴がとれるまで。。」「ミルクの制限量がなくなるまで。。。」とその時々の小さな願いが1つずつ叶っていき、大きな目標が達成して緊張の糸が切れて一気に疲れが出てきてなんだか気分が沈んでいたのです。 今はこんな風に冷静に文章に書いていますがその当時はほんとに毎日がなんだか疲れすぎてもう辛くて夜中レナが寝た後には泣いてばかりいました。 手術も成功してこんなにうれしいことはないのに今考えてもなんでそこまで落ちてしまったのか不思議です。 今は全然そんなじゃないのですがその時はかつてないほど無気力な自分がいました。 9月13日 週明けのレントゲン検査異常なしとの太鼓判を押されついに退院が決まりました。お世話になった先生、師長さん、看護師さんにあいさつをし久々に病院の外にでるとまだ暑かった外の空気がとてもすがすがしく感じました。風がとてもきもちよくて明らかに病院とは時間の流れが違うように感じました。レナも1ヶ月ぶりの外界の空気でした。 今退院して3週間、レナはとても元気です。 まだまだ普通の6ヶ月の赤ちゃんよりは小さめですが徐々に体重も増え、表情も豊かになってかわいい笑顔をいっぱい見せてくれあーうーと元気すぎるほど毎日おしゃべりをたくさんしてレナなりにたくさん成長しています。 あたしが一番願った日常です。 ただ生きるためのミルクを飲むのに苦しくて泣くこともなく、寝てるときに「ぎゃー」と叫んで苦しくて起きてしまうこともなく、採血で手足を押さえられて針を刺されて泣くこともないのです。 当たり前の日常がこんなに幸せだと気付けたのはレナの病気のおかげです。 それでもレナの傷を見るたび、それを私に気付かせるにはあまりに大きな代償だと思う気持ちはぬぐえません。 どんなことでも人生無駄なことはないとないと思ってこの26年生きてきたけれどレナの病気と直面して最初は初めてその自分の信念を覆されたと思っていました。 レナにとってはわかりません。 大きくなってから傷を見て「お母さん、なんでもっと丈夫に生んでくれなかったの」と思いとても意味のあることなんて思えないかもしれません。 でもやっぱり私にとっては無駄じゃなかったんです。 そう思えるようになったのは本当に最近だけど。 レナの病気が分かった時は「なんでうちのレナなんだろう」「なんで私の子なんだろう」とばかり思っていました。けどきっと意味があるんです。物事には。今気付かなくても。 他の人はどうかしらないけど私はそう思っています。 私が双子を授かったというのも、最初はあまりに大変で、最初妊娠して双子と分かった時の感動も忘れ「なんで双子だったんだろう、ニナとレナ、別の時期に別々に1人ずつ育てることが出来たらもっと余裕を持って、もっとやさしく接して育児できたのに」とそんなことばかり考えていたけど。 今は意味があるんだと思ってます。 双子を授けたのは神様かだれかわかんないけどこんなグータラでテキトーで今まで人生をうま~く渡り歩いてきた自分にここらで渇を入れて鍛えなおすためなのかも。と思うんです。 まだまだ悩むこともたくさん、泣くこともたくさん、けどたぶん笑顔もたくさん、双子からこれからもらえると思います。 レナの手術が無事終わり、今週末やっと長々お世話になった実家を離れニナちゃんを迎えに行き、またあらたなスタートです。 自分の体を壊しても育児は休みなしで結局一番辛いのも自分なので体調だけには気をつけてがんばってきたいと思います。 長々とここまで読んでくれた方 どうもありがとう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2008年09月10日 10時43分09秒
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