BS「アメリカ 貧困と生きる 後編 出口を求めて」感想1
14年前に出会った、貧困家庭の子どもたち。その成長を追う。第3章 20代 24~25年ケイリ―(女性)アイオワ州に住む。もうすぐ23歳。自分の家を買った。1000ドル貯め、それを元手に株式に投資して、6万ドルほど稼いだ。エッ!?家を買ったとか株で6万ドル儲けたとか・・・凄いな!母の家を出て1週間後に家を買った。約2万ドル。よく知っている人から、少し借金して。その家を改装し、転売した。同じことをもう一度して、今の家を手にした。やり手だわ。よく知っている人・・・ウーン、少なくとも数十万円を貸してくれる人というのは、どういう知り合いなのだろう。高卒資格をとり、2年制大学に入った。刑事司法の過程を終えたら、4年制大学に編入して心理学と刑事司法を学ぶつもり。これまた凄い。勉学にも励んでいる。緊急通報の指令室で働いている。研修を終えて、実際の通報を受けている。職場では緊張する。相手は、緊急事態に陥った生身の人間だから。パニック状態の人も少なくないだろうし。家で犬たち(2匹)と過ごすのが好き。23歳にしては、退屈な人間かも。読書したりTVを観たり犬と遊んだり。あまり外出しない。一人暮らしには広すぎるほどの平屋。キッチンも立派だ。貧困の中で育つとそれが当たり前になって、悪い環境に慣れてしまう。悲しさを感じさせる言葉。母とは別の人生を歩んでいる。そんなに仲がよくないので、年に一回ほど会えば十分。まともな生活がしたくて、必死に努力してきた。やっと走り出した感じ。だけど、どこに向かっているのかわからなくなる時もある。生きているのがイヤになった時も。成功を目指すというのは、とても孤独。3年ほど前から、心理療法を受けている。PTSDになると、記憶が遮断されることがあると聞いた。私は子ども時代の記憶がほとんどない。育った環境が悪かったから、脳が自分を守るために記憶に空白を作ってしまった。毎日が闘い。メンタルに問題を抱えている人なら、わかってくれると思う。5,6人座れる大きなソファーに目が留まった。こんなどっしりしたものを置けるほど、広い部屋。殺風景だが庭もあり、犬と遊ぶこともできる。僅か22歳で、そんな家を所有。心のダメージを抱えてはいるが、頑張って貧しさから這い上がり独立。一人暮らしを満喫している印象を受けた。しかし!極寒の日、犬が捨てられていると通報を受けた。でも、何の対応もされなかった。だから勤務後、犬を助けに行った。通報を受けて、勝手に行動してはならないという規則を破ったので、解雇された。犬を愛する彼女は、どうしても放っておけなかったのだ。アメリカなら、飼い主のわからない犬がいれば、警察や動物愛護団体がすぐに保護するかと思いきや、そうではなかったのだな。意外。解雇ではあるが、緊張する仕事を続ける自信が揺らぎ「もう辞め時」そういう気持ちも、ひょっとしたらあったのかもしれない。う~ん、どうだろう?アイオワを出て、テキサス州ダラス辺りで働きたい。14か所に応募して、既に3~4カ所から断られた。私にとってアイオワは、どこにもつながらない行き止まりみたいな場所。この家を売って、向こうで新しく買う。犬と猫 4匹いるので、賃貸では難しい。それも大きめの犬だものな。頑張ったけど、ここではもう無理。何もうまくいかない気がして怖い。今までの人生サイクルから抜け出すのは、たやすくない。脳が覚えているから。自分を変えたくて、凄く苦しんでいる。とても時間のかかる過程。具体的に、自分のどういうところが良くないと思っているのだろう?どうなりたいのだろう?自立してたくましく生きている彼女だが、貧困家庭に育った心の傷を抱えている。今は困窮していないが、何かしら恐れているような口ぶりだった。貧しい生い立ちが、脳に影響を及ぼしている と繰り返す。医学的な見地に納得している。* * *その後・・・言っていたとおりテキサス州に移ったケイリ―だが、なんと妊娠していた!予定外のことで驚いた。人生は予定外の連続だから、しょうがない。父親になる人と暮らしている。幸せでワクワクするけど、母親になることが心配で、複雑な気持ち。子どもにも、昔の自分と同じ苦労をさせてしまうかもしれないから。小さい頃、夢をもつことで救われた。どんな時も夢を捨てなかった。想像の世界にいる方が、楽だったから。大学の件はどうなったのか?2年制大学は、卒業できたのだろうか?その前に、学費も貯金から捻出したのか?オンライン大学なのだろうか?という疑問が。「結婚した」とも「夫」とも言わなかったから、未婚なのだろう。正直言って、妊娠せず独身生活を満喫する方がいいのに と思った。まだ若いのだし!安定した職業に就いて、犬猫を飼える家で穏やかに暮らす方が望ましい気がした。もちろん、このまま温かな家庭を築ければ幸いだが。この妊娠がターニングポイントとなるのは、間違いない。どう出るか・・・。左腕全体にタトゥーがあるのが、引っかかった。日本の文化・社会とは違うとはいえ、普通の女性がここまでやるか?と。たとえアメリカでも、仕事の選択肢が狭くなったり、受け入れがたいと思われたりしないのか。趣味の問題なのだろうが、貧困から抜け出して社会でやっていくことを望む人が、わざわざこんなに目立つタトゥーを入れることが解せない。