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欲張り?!4足のわらじを履く私の日々の事

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2012.06.15
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カテゴリ:小説
 大きな花火を打ち上げて見せた わけだが、
 今回の事案はやはり長い間うやむやにしてきた問題だけに、難題は山積であった。
 ハード面1つとっても、受刑者の収容人数に限りがあるのは事実で、
 これは加藤議員の人気だけでは如何(いかん)ともしがたいものであった。
 また、既得権を脅かされる官僚の抵抗も根強く、
 一部には、同じ与党内からも 族議員達が表立っての反論をする者、
 また裏から手を回す者が出てきた。
 結局、法案を実質成立させるには、段階を踏む必要があるという結論に落ち着き
 次の様に大まかな概要が示された。

 1、あくまでも国営の刑務所だけでは収容しきれない受刑者の受け皿として、
   民間の企業が経営する刑務所を設立する
 
 2、成人の無期懲役刑を廃止する代わりに懲役に期限を設けない、「終身刑」という
   刑罰を新設する。
   終身刑とは、犯した罪により受刑年数を足していき、上限を設けない。
     -つまりは懲役200年、300年などもあり得るという事だそうだ。-
 
 3、民間の刑務所の設備が整い受け入れ態勢が整った段階で
   16歳以上の未成年についてもこの「終身刑」を摘要する。
 
 4、設備、人員の整った民間刑務所の内、国で定めた基準をクリアした施設のみ
   精神疾患による犯罪者の内、責任能力を有さない為、無罪判決を受けた者の中で、
   再犯の可能性が高いと裁判所が判断した者、
   また病的な衝動により犯罪を繰り返す、更生が実質困難な犯罪者を、
   終身にわたり、収容、収監する医療刑務所の設立を許可する。
   これに関しては定期的に行う複数人の精神科医全員の意見一致の判定により、
   完治と認められれば、出所を許可する
   但し、出所後も移動の制限や、体内に埋め込まれたチップにより行動を監視される。  
 5、これまでの受刑者は服役中、その後刑期を終えた後の社会復帰、
   更生を目的としたプログラムが主となっていたが、
   この新しい終身刑の成年の受刑者は、特別に情状酌量が認められるもの以外、
   原則として皆、日々を刑務官の監視下においての労働に従事し、
   その対価は国への税金と刑務所の維持費として全額支払う。
 
 6、未成年の受刑者に関しては、矯正教育と通常の通学と同じ学科教育を受けながら
   週1日を労働日とし、労働に従事する。これの対価は刑務所の維持費として
   全額支払う。
   また受刑者が18歳に達した時点で、成年受刑者と同じ処遇へと移行する。

   これらにより、成年者の労働力を確保しながら、危険人物を世に出さずに、
   国費を潤(うるお)す一石二鳥となる。というのが加藤議員率いる
   超党派のグループ「あるべき日本の姿」の主張であった。
   これだけの重要法案ではありながら、可決成立は異例のスピードで進んでいった。
   やはり、当初の予想通り業務の内容の特殊性などからしても、申請するのは、
   民間の警備会社が大半を占めた。

 可決から10年。
 先ずはモデルケースとして、東北地方に第一号の刑務所が設立される事となった。





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Last updated  2012.06.15 16:05:12
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