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今日は生憎の雨です。無いものねだりで、「雨が好きなアンニュイな大人の女」に憧れる
私ですが、どうしても雨は好きになれません なのに完璧雨女なんですよね 結局下校時、またこうして清水を待っている自分に呆れながら、 自分で自分に『約束だから』と言い訳したりしている。 気付くと向こうから小走りで清水が近づいてきた。 「ごめんなさい、お待たせして」少し息を弾ませながらぺこりと頭を下げる。 「いや」少しつっけんどんになってしまった。 今日は昨日までとは違う方向のバス停に向かった。 いつも同じ時間帯に同じ交通機関を使うのは拙(まず)い。 後ろから彼女の戸惑いが伝わってきたが、特に説明はしない。 いつも通り、急に乗って急に降りて。今日は地下鉄を乗り継いで支社まで来た。 特に尾行は無かったように思う。 今日も彼女は地下鉄の中でいそいそと道順を、 いつものお気に入りらしい手帳に真剣な表情で書き込んでいた。 車輌が揺れて書いていた字がミヨ~ンとヒゲのようになってしまったのを見て、 ガックシ来ていた。 思わず吹き出しそうになるのを咳払いで押さえ見てないふりを装う。 親しくなるきっかけを彼女に与えてはいけない。 この子はそれを見つけるとすぐ屈託の無い笑顔で 俺のパーソナルスペースにぐっと入り込んでくるに違いない。 あの初めて会ったあの日のように。 「はい」とセキュリティカードを手渡す。 そう言えば、学習しない子だな。 2日続けてあんなに怯えた相手に今日も会うというのに、全く平然としている。 思わず首をかしげて清水の顔をマジマジと見入ってしまった。 気付いた清水は恥ずかしそうに視線を外して「あの…」と困ったように声を掛けた。 しまった!静也は何も無かったように、道場に向かうエレベーターのボタンを押した。 こんな時は知らん顔をするより他無い。 いつも通りを装いながら道場に着くと、いつも通り2人が待っていた。そしてもう一人。 椅子を用意させて統源が座っていた。 事前に聞いていなかった静也は驚いて、急ぎ統源の元に向かう。 「おぉ、静也。今回は手間を掛けてすまない。」 静也は膝を折り、「いえ。長のお言葉とあらば」と答えた。 「うむ。今日は孫の様子を見に来たジジイじゃ。そう固くならんで良い。 いつも通り清水のサポートを頼む」 「はい。失礼します」挨拶を終えるといつもの場所で待機する。 流石に統源の前でもたれ掛かるわけにもいかず、 直立で清水が着替えて入って来るのを待った。 今回の静也は人間味が出てきて、私は好きです 清水ちゃんに応援お願いします にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.10.28 08:25:16
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