|
カテゴリ:カテゴリ未分類
みなさん、メリークリスマス今日も仕事の淋しいクリスマスでしたぁ
ケーキとチキンは食べたけどね 「はい?」怪訝そうな顔をしている。 「あ、綺麗なお庭ですね。お花がいっぱいで…」にっこり微笑みながら話題を振ってみた。 「ありがとう」と言いながら目が不審いっぱいになっている。 「この花、なんていうはなですか?うちにも植えたくて」 「?…あ、あぁコスモス…だけど。」 「え。」 「あ、あぁコスモスってこんな色も有るんですね、 てっきりひまわりか何かの一種かと…。」 くすっと笑った母親は「そうね黄色のほかにほら、あそこにオレンジのもあるのよ」 と庭の奥を指差して教えてくれた。 「へぇ…」細い首を伸ばして覗き込む清水を見ていると何故か警戒心が薄れて来る。 「1株持って帰る?」 「え?いえ。そんな」大きく手を振る。 「遠慮せんでいいよ。たくさんあるから」 「じゃ、じゃぁお言葉に甘えて」もじもじしている仕草が微笑ましい。 「丁度小さなプランターが有ったと思うから、植え替えてあげる。それ持って帰って」 清水を庭に招きながら、片隅にある手入れするものを収納した可愛い小さな棚を開けた。 どれもこれもさり気無く配置されているが とてもセンスがいい事に気付く。 「本当にステキなお庭…あ、私森川清水と言います」ぺこっと頭を下げる 嬉しそうに微笑みながら「じゃあ、清水ちゃん手伝ってくれる?」 棚の中から見つけてきた植木鉢を差し出した。 「はい!」返事はとても良かったのだが清水にとって初めての事で 受け取ったはいいが何から始めたらよいか迷っていた。 それを察した、母親は「先ずはこの黒いシートを… ほら鉢底に丸い穴が開いてるでしょう? それよりも大きめに切って。」 おぼつかない手つきで教えられたとおりに切っていく。 「そうそう。それをさっきの穴の上に載せて」 なんだか当初の目的を忘れそうになるくらい楽しくなってきた。 「その上に、はいこのスコップを使って」と言って水色のスコップを貸してくれる。 「その白い石を…そうね、植木鉢の4分の1位までいれて」 ごろごろした石をすくう。思ったより軽い事に驚く。 そんな表情を微笑ましげに母親は見ていた (今度あの子とも一緒に植え替えをしよう)そんな事を思いながら。 丁度植え替えが終わり後片付けをしていた時、 「ただいま」カチャンと門扉の開く音と共に菜緒ちゃんが入ってきた。 目を丸くしている。お母さんが他人を家に上げるなんて。 しかも自分の知らない人だ。 驚いたのは清水も同じだった。 考えてみればあれから随分経っている 菜緒ちゃんが自分とそう背丈が変わらなくても、不思議ではないのだが、 自分の中の彼女は5歳のイメージのままだった。 固まっている2人を見て母親は「菜緒、こちら森川清水さん。ご挨拶は?」 と声をかけた。「あ、…こんにちは」ぺこっと頭を下げる。 「清水さん、この子は菜緒です」ニッコリ笑って紹介してくれる。 「あ、お邪魔してます。初めまして。清水です」 「早かったのね」いつもより随分早く帰ってきた娘に声をかける。 「今日から家庭訪問やから…朝ゆったで」少し口を尖らし応える。 「あぁ、そやったね」今日は珍しい事続きだ。 お母さんが私の予定を忘れた事なんて無いのに。 「あぁ!!もうこんな時間!私…」 急にあたふたし始めた清水にもって帰る為の袋を取りに行ってくれた母親は 「気をつけて帰ってね」と声をかけた。 「あ、ごめんなさい。私ったら長々お邪魔しちゃって」と頭を下げる。 「綺麗なお花まで頂いてしまって」 話しながらももう足はその場駆け足を始めそうな勢いだ。 くすくす笑った2人は「また遊びに来て」と言って送り出してくれた。 何度も振り返ってはお辞儀をする清水を見送ると、母親は 「そうだ菜緒。お夕飯の買い物一緒に行かない?」と声をかけながら家へと 菜緒を誘(いざな)った。 「うん」笑顔で答えた菜緒は何だか今日のお母さんはとても リラックスしているように見えた。 (あの子のおかげかな?) えっとぉ。。。キヨミズさんだったっけ。。。名前覚えとこう。。。菜緒は 出掛ける仕度をする母親の後姿を見ながら思った。 辛い思いを2人で乗り越えようとしている親子の姿に少しだけほっとする清水ちゃん 記憶もない母の事を重ねたりしたのでしょうか。。。 にほんブログ村 応援ぽちっとお願いしますっ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.12.24 22:41:33
コメント(0) | コメントを書く |