|
カテゴリ:カテゴリ未分類
今朝、また彼が出てきた。
8年前に別れた人。 笑ってしまうでしょ? 8年も前に別れた人のことを思い出してしまうなんて。 一年に何度かきちんと夢に出てくる。 もっと昔は一ヶ月に一度、もっともっと昔は一週間に一度だった。 出てくる夢は現実に似ていて、本当に彼に会っているかのような錯覚がある。 別れを切り出したのは私だった。 だから未練が残るなんて、資格ないのだけれど。 彼とは丁度8年前の今ぐらいに知り合ったっけ。 夏の思い出が多い。 いい人ではなかった。多分性格悪い人だったと思う。 何かをしてもらって、感動した事はなかった。 でも笑顔が良かった。 彼とつき合っているとき 「彼が生きているだけで私は幸せだ」と思っていた。 高校生だったけれど、今よりも人を真剣に好きになることが出来たのだと思う。 猜疑心なんてなくて。 8年経ってもひどく暑い日は古傷が痛むのか、 特に今日みたいに暑い日は何年か前に気持ちが戻ってしまう。 変でしょ? 理屈なんてない。 理由なんてない。 思い出してしまうんだもの。 どんなにしても、忘れたと思っていても彼が出てくる。 やーねー。 これから何年も彼の事を夢に見るのかな? そう思うと怖くなった。 90歳くらいになっても夢に出て、それで思い出す彼は相変わらず18歳とかで、歳をとっていないんでしょう。 おばあさんになった私が、朝目を覚まして「夢でよかった」なんて言っていたりするのをイメージしてしまった。 * 今日はそんな夢なんてみてしまうから、お茶のお稽古上の空だった。お茶の先生、先週旦那様が亡くなったらしい。でもそのわりにしゃんとしていた。 「あっさり逝ってしまったんですよ。話をしていて、がんばる、がんばる、って言っていたと思ったら亡くなってしまったの。」と笑顔で話をしている。 先生もちょっと夢見ているみたいだった。 旦那様のお葬式のあとに泥棒に入られたみたいで、いろいろな事がどっときたみたいで、でも何で笑っていられるんだろうと思った。 いつもよりも元気なくらい。 多分何かをしている方がいいのだと思う。 だからいつもよりも張り切っていたのだと思った。 先生の旦那様はなんでもしてくれる人だったみたい。 お庭のお手入れもしていたらしく、 でも最近旦那様が害虫を退治していなくて 椿が虫にやられて、丸ぼうずになってしまった、と言っていた。 ご主人がいないお庭は草がぼうぼう、木が成長しすぎてしまって 泥棒にも入られてしまった。 先生が庭師の人に散発をしてもらったら、えらくスッキリと切られてしまって、大切な木も抜かれてしまったのだそう。 何だか、せつない気持ちになった。 もう会えないなんて、どんなに切ないことだろう。 一緒に暮らした家に、一人で暮らす。 泥棒にも入られて、どんなに心細いことだろう。 先生はお稽古の最後に言っていた。 「私は欲はなくなってしまった。希望とかもないけれど、私が望む事はぼけずにお茶の指導ができることです。」 先生がいつもよりも大きく見えた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|