うたたねの店

2004/12/13(月)17:17

ある夜のこと

彼とお酒を飲むのは何度目だろう。 いつもおなじ店に行く。 いつもおなじ人がビールを出してくれる。 いっしょにいる時間が増えたので 違和感がなくなってしまった。 私は彼をみとめてしまっているのだろう。 彼は言う。 「上手に年を重ねてね」と。 上手に年を重ねてね、 なんていわれたのは初めてだった。 だから胸が一杯になった。 へんなの。 私が人からの反応が遅い理由をかんがえてくれた。 それは、壁を立てかけるからだという。 壁? とっさに身構えて、壁をたてようとする。 たぶん自分を守る為。 壁なんていらんのかな? でもやはり特定の人には壁を立てかけるのだろうなと思う。 その人と飲んだ夜はよく眠れる。 風邪薬をのんだあとみたいに。

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