「できない」を避け始めると、受験は危ない
塾依存から抜ける学びを編集する、マモ~です。授業の前に必要な「学びの土台」について発信しています。今回は、「できない」を避け始めると、受験は危ないというテーマでお話しします。現在、私は学習塾で担任という役割をしています。担当している生徒の中に、中学受験を控えた小学6年生の男の子がいます。日々、塾に通って勉強しているのですが、最近その子が少しメンタル的にダウンしてしまいました。「受験をしたくない」「勉強したくない」そんな状態になってしまい、その日の授業を急遽すっぽかす、という出来事がありました。ただ、お母さんに詳しく話を聞いてみると、実はこうしたことは、うちの塾に入る前からあったそうです。頻度としては、月に1回程度。少ないときでも、2〜3ヶ月に1回くらいは、急に限界を迎えてしまい、「受験したくない」「勉強したくない」となってしまうことがあったようです。正直、この頻度で起きているとなると、今後も同じことが何度も起こる可能性があります。たとえ中学受験を乗り越えたとしても、この先には高校受験や大学受験があります。大学受験は、どの道どこかで向き合うことになるでしょう。そう考えたときに、「このままで大丈夫なのかな」という懸念がありました。そこで翌日、本人と2人で話をすることにしました。なぜ、そういった状態になってしまうのかを確認するためです。話を聞いていく中で見えてきたのは、週末のテストに対する本人の強いこだわりでした。その子は、毎週末のテストで8割以上を取りたい。それをずっと続けてきたから、とにかく今回も取りたい。そんな思いを持っていました。これは、親に怒られるのが嫌だからとか、友達や先生に褒められたいからとか、そういう承認欲求だけの話ではなさそうでした。もちろん、そういった気持ちも多少はあるかもしれません。でも一番大きいのは、本人自身が、「8割以上を取れないと嫌だ」と思っていること。そして、週の中頃の勉強で「分からない」「できない」が増えてくると、「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」「でも間に合わないかもしれない」となってしまう。その結果、点数が取れなさそうだと感じた瞬間に、勉強そのものを投げ出してしまう。そういう構造があるのではないかと、私は仮説を立てました。さらに深く考えると、根本には、「分からない自分」や「できない自分」を受け入れたくない、認めたくないという気持ちがあるのではないかと思っています。正直、自分が取りたい点数を取れないことなんて、今後いくらでもあります。中学に上がっても、高校に上がっても、思うような結果が出ないことは普通にあります。もしそのたびに、「分からない自分を見たくない」「できない自分を認めたくない」「だったら、もうやらない」となってしまうのであれば、これは目先の中学受験だけの問題ではありません。その先の大学受験や、もっと先の学びにも関わる、かなり大きな課題になります。私を含め、先生側のテストに対する認識は、本人を評価するためのものではありません。もちろん点数は出ます。結果も見ます。でも本質的には、テストはその子の価値を決めるものではなく、伸びしろや課題を見つけるための材料だと思っています。点数が悪かったのであれば、「何が原因だったのか」「次にどうしていけばいいのか」を考えればいい。分からない問題、できない問題があるなら、それを塾で解決すればいい。特に、私が勤めているのは個別指導塾です。個別指導塾というのは、本来、分からないことやできないことを解決するためにある場所です。だからこそ、本人が「分からない」「できない」を受け入れられない状態になってしまうと、個別指導塾の価値を最大限活用できなくなってしまいます。本人の中で、「できないと認められない」「分からないことに直面するくらいなら、いっそ投げ出してしまった方が楽」という思考や行動のパターンができているのだとしたら、そこは早めに向き合う必要があります。ただ、誤解してほしくないのは、彼が不真面目なわけではないということです。むしろ、すごく真面目です。普段はひたむきに勉強に取り組んでいます。自習室での様子を見ていても、かなりきちんとしています。他の子が少し集中できていない雰囲気を出しているときでも、彼は黙々と手を動かして、プリントやノートに向かっています。だからこそ、結果を受け止めすぎてしまうのかもしれません。真面目だからこそ、頑張っているからこそ、「できない自分」が許せなくなる。その結果、限界が来たときに、すべてを投げ出す形になってしまう。私は、そこを少しずつほぐしていく必要があると思っています。「できない」は、悪いことではありません。むしろ、そこから何を見つけて、どう修正していくかが大事です。受験において本当に危ないのは、点数が悪いことそのものではありません。できない自分を見ないようにしてしまうこと。分からない問題から逃げることが、癖になってしまうこと。ここに、私は大きなリスクを感じています。もちろん、今後の対策はいろいろ考えています。本人との関わり方、家庭との共有の仕方、テストの受け止め方の整理など、できることはたくさんあります。まずは、本人が「できない」を少しずつ受け入れられる状態をつくること。そこから始めていきたいと思っています。最後にお知らせです!!現在、私はnoteやBrainで有料記事を作成しています。テーマは、「なぜ、塾に通っても成績が上がらないのか」という内容です。今回の彼のように、一生懸命頑張っているのに、なかなか成績が伸びきらない子がいます。もちろん、彼の場合はまったく伸びていないわけではありません。ただ、頑張りのわりに伸び悩んでいる部分がある。その背景に、今回話したような、「分からない自分を認めたくない」「できない自分を受け入れたくない」という構造があるのだとしたら、これは他の子にも十分起こりうることです。では、一生懸命頑張っているのに成績が伸び悩む子には、どんな特徴があるのか。それを踏まえて、親はどう関わればいいのか。塾をどう活用すればいいのか。家庭では何を整えればいいのか。そういったことを、かなり具体的に論じている内容になります。ただ漠然と塾に通わせるだけでは、成績は上がりません。なぜ成績が上がらないのか。では、どうしていけばいいのか。そこを、私の5年以上の現場での知見に加えて、心理学・脳科学・行動科学の知見も交えながら書いています。文字数は最大で約8万字。さらに特典として、日々の行動をチェックできるワークシートと、Google Meetでの60分間の個別相談も付ける予定です。販売開始は、6月6日(土)。初回価格は1,290円を予定しています。かなり破格の内容にしているつもりです。参考になれば嬉しいです。ありがとうございました。