Manachan's World-東京下町日記

2005/09/17(土)23:23

中国は性格を変える!

大連の暮らし(88)

大連に越してきて、もうすぐ4ヶ月。この、カオスと混沌の社会環境のなかで、日々、口げんかの連続、生存競争バトルの連続・・・大連での日々は、私の性格や行動パターンを変えつつあるようです。果たして、この4ヶ月間で、何が変わったのか? 1)中国語「けんか」力が大幅アップ! 中国で働くことの魅力の一つは、「ビジネスの場での中国語力を強化できる」ことでしょう。ところが、フタを開けてみれば、我が大連オフィスはいま、中国人スタッフの英語力強化が全社的至上命令となっており、私のような外国人スタッフは、「仕事の場では、全部英語でしゃべって欲しい」、「会議も、全部英語でやってくれ」と頼まれる始末。おかげで、出社から退社まで、ずっと英語ばっかり使い、まるで「中国人スタッフの英語練習台」と化しています。 ですので、ビジネス中国語力に関しては、未だに、大きな進歩がみられません。その代わり、「ケンカ用中国語力」が、恐るべきスピードで向上しています。それもそのはず。大連の暮らしは、来る日も来る日も、商店で、銀行で、バスで、役所で・・・・口ゲンカに次ぐ口ゲンカの連続なのです。 たとえば今日(土曜日)は、こんなことがありました。招商銀行の支店で、自動預け入れ機を使って、現金2200元(3万円余)を預金しようとしたら、突然、機械がブッ壊れて、預金操作が中断してしまいました。そこで、窓口の女の子に、「現金2200元が機械に呑み込まれてしまった。何とかしてくれ」と頼んだところ、 「機械は、月曜日にならないと開けられない。それまでは、何もできない」という、つれない返事が・・・ ふざけんな冗談じゃねえ!俺は今日の夕方までに、2200元を旅行会社に振り込まなければならないんだよ。どうしてくれるんだ?だいたい、機械が壊れたのは、お前らの銀行の責任だろうが。お前らが悪いんだから、何とかしろ!今すぐ!・・・もし責任を負えないのなら、もっと上の人間を出せ!そもそも、週末にサポートできないような機械を、客に操作させるんじゃねえ!すぐブッ壊れるような、ボロいマシンなんか置くんじゃねえ! こんな文句(もちろん中国語)が、自分でもびっくりするほど、スラスラと出てくるのです。「テメー」「コノヤロ」系の言葉が、次から次へと、滑らかに・・・慣れというのは、恐ろしいものです。たとえ日本語で話しても、こんなスラスラ出てはこないでしょう。 おまけに、「人の言うことを聞かない」、という嬉しくない癖まで身についてしまったようです。例の「預金失敗事件」は、銀行窓口ではラチがあかなかったので、顧客ホットラインに電話して、苦情をボロカス言いまくりました。そしたら、コールセンターの人から、「こちらの言うことも、少しは聞いてください!」と、言われちまった。 時に、「世界一、人の言うことを聞かない」といわれる中国の人から、そう言われちゃうと、これはかなりヤバいかもしれない。電話を切った後、私は、ちょっと自己嫌悪に陥ってしまいました・・・ 2)レディーファーストができなくなった 中国の人々は、概して、列をつくって並びません。バスに乗るにも、エレベーターに乗るにも、病院の受付で現金を払うにも、列をつくらず、入り口のところで押し合いへし合い。彼らが列をつくるのは、スーパーのレジに並んでる時くらいか・・・これは、一朝一夕には改まらないでしょう。 こういう社会習慣ですから、「請排隊」(列にお並びください)という貼り紙を出しても、次の瞬間には有名無実になってしまいます。それでも、私の観察した限り、「請排隊」のルールを比較的守るのは男性の方で、女性は老若問わず全然守らない、という傾向があるようです。 この間、こんなことがありました。中国のスーパーでは、野菜、果物、穀物は基本的に「量り売り」なので、レジに並ぶ前に「計量」を済まさなくてはなりません。したがって、計量サービスの前に大勢の人が並ぶことになるのですが、ここで私が、「請排隊」のルールに従って、前に並んでいる10人ほどの計量を待って、いざ自分の番だ!という矢先に、おばちゃんが横からサッと現れて、チンゲン菜を計量員の目の前に差し出して、「ハイこれ!」・・・見事、割り込み成功されてしまった。 これでは、レディファーストもへったくれもありません。「ふざけるな。俺の番だぞ!列に並べよ!」と言って、これまで何人ものおばちゃんを強制排除してきたことか。そういえば、数日前までいた病院の食堂でも、割り込み、割り込まれの、仁義なき生存競争の世界でした。無数にいるおばちゃん達に割り込まれたら、こちらのハラが減る!ここ中国で、レディファーストを実践していたら、いつまで経っても、自分がメシにありつけないし、バスにも乗れないし、買い物一つ完結できない・・・それが現実なのです。 --------------------------------------------------------------------- 時々、こんな自分の姿を振り返って、「こんなはずじゃなかったのに」と思うことがあります。「口ゲンカの鬼」、「人の言うことを聞かない」、「列に並ばない」、「女性を力づくで排除する」・・・いずれにせよ、あまりカッコよくないですよね?なんだか、自分がだんだん性格悪くなっていくようで、それが怖い。 でも、もっと怖いのは、日本やオーストラリアに行っても、知らず知らずのうちに、そういう行動をしてしまうことです。そんなことしたら、絶対に嫌われますよね。まじで、気をつけなくては。 中国は人の性格を変える・・・恐るべし。

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