2009/01/11(日)01:11
千葉のツンドラ
地球温暖化とヒートアイランド現象のため、真冬でも気温が滅多に零下にならない東京都心とベイエリア。この地の冬は、生ぬるい・・・。
ところが、都心を離れて郊外に出ると、気温がグングン下がります。都心でみぞれ交じりの雨が降っている日、郊外に出れば雪だった・・・ということは、珍しくありません。
都心と郊外の気温差、それが一番劇的に現れるのは、JR中央線かもしれません。東京湾に面した都心から、西方の山岳地帯に向かって、一直線に走る中央線には、「三じの法則」とよばれる経験則があります。これは冬の日、都心から吉祥寺(きちじょうじ)、国分寺(こくぶんじ)、八王子(はちおうじ)という、語尾に「じ」の付く駅を通過する毎に、気温が1度づつ下がる、というもので、この法則によれば、国分寺は都心より2度、八王子は3度寒い、ということになります。
「郊外に出ると寒い」ことを、我が家で一番痛感しているのは、南国育ちで寒さに弱い妻でしょう。冬の日、千葉県柏市にある私の実家に行く時は、普段、東京で着ている冬服より一段グレードアップした防寒服を着、3歳の娘ソフィアには、酷寒の地(?)大連で買ってきた「太空衣」という綿の入った防寒着を着せ、毛糸のマフラーでグルグル巻きにします。
ソフィア、おばあちゃんの家は、東京よりずっと寒いんだからね。ちゃんと厚着しなさい!
と言うこともあります。まあ、「東京よりちょっと寒い」のかもしれないけど、「ずっと寒い」は言いすぎだろうと、私は心のなかで、いつも思っていましたが・・・・ま、そんなこともあって、柏の冬が東京よりどれだけ寒いのか、ちょっと調べてみました。今回データを取れたのは、柏に隣接する我孫子市の数字ですが、それによると、
【2008年1月の平均気温】
東京都心 5.89度
横浜市 5.86度
さいたま市 3.70度
(千葉県)
千葉市 5.63度
館山市 5.85度
勝浦市 5.42度
銚子市 6.22度
我孫子市 3.76度
【2008年1月の平均最低気温】
東京都心 2.69度
横浜市 2.93度
さいたま市 -0.78度
(千葉県)
千葉市 2.24度
我孫子市 -0.23度
なんと、柏・我孫子地域は、東京都心よりも、平均気温で2度強、最低気温で3度低い、というデータが出ていました。同じ千葉県でも、千葉市、館山、勝浦、銚子などの他都市と比べても明らかに低温で、なんと「さいたま市」並みの寒さ!
先月(08年12月)は、例年よりやや暖かく、穏やかな日々が多かった印象がありますが、その月のデータもやはり、「都心より約2度低く、さいたま市並み」であることには、変わりませんでした。
【2008年12月の平均気温】
東京都心 9.8度
横浜市 9・7度
さいたま市 7.1度
(千葉県)
千葉市 9.7度
我孫子市 7.8度
今度はより範囲を広げ、さらに北方にある各都市と比べてみました。
【2008年1月の平均気温】
さいたま市 3.70度
熊谷市 4.24度
前橋市 3.58度
水戸市 3.08度
宇都宮市 2.72度
我孫子市 3.76度
柏・我孫子の気温が、群馬県の前橋とほとんど変わらないなんて・・・絶句!さらには、関東で一番寒い県庁所在地の座を争っている水戸や宇都宮の気温とも、そう大きくは変わりません。
さらには、「3じの法則」のある、中央線沿線の各都市と比べてみました。
東京都心 5.89度
国分寺 4.50度 (隣接する府中市のデータで代用)
八王子 3.40度
我孫子市 3.76度
柏・我孫子の気温は、「国分寺」より寒く、「八王子」に近いことが分かりました。
私の実家のある辺は、千葉県にあるのに海もなくて、冬は埼玉や八王子並みに寒い。筑波おろしの冷たい北風が吹き降ろす、まさに「千葉のツンドラ」・・・こんなに寒ければ、妻が気合入れて、厚着していくのは無理ないのかも。私も、冬場に実家に行く時は、「東京」や「千葉」じゃなくて、「さいたま」の予想気温を見ていくべきですね。
とはいえ、一つだけフォローすると、千葉県内で、柏・我孫子よりも冬場もっと冷え込む地域が一つあります。印西市から成田市にかけての北総台地の上は、内陸でよく風が通るために、放射冷却が強く、関東平野でも有数の低温を記録します。あと、やや北方にある茨城県つくば地方も、同様の理由でかなりの低温になります。ですので、
冬の晴れた早朝、都心から成田空港にシャトルバスで行ったら、超寒くてびっくりした。
冷たい雨が降る早朝、都心からつくばエクスプレスで終点まで行ったら、吹雪になっていてびっくりした
というのは、とてもありえる話なので、くれぐれも防寒対策は万全に。