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ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)

感染性(ウイルス性)胃腸炎~俗に言う嘔吐下痢症について

感染性胃腸炎とは、病原体の感染によって、嘔吐、下痢、発熱などをきたす病気の総称です。病原体としてはウイルスの場合が殆どなので、ウイルス性胃腸炎と呼ばれることが多く、症状から一般には嘔吐下痢症と呼ばれる事も多いです。ウイルスによって起こることから、「お腹の風邪」とも言われます。
病原体について
多くはウイルスです。夏にはエンテロウイルス、冬にはノロウイルスやロタウイルスなど季節によって原因となるウイルスが違い、病状も少しずつ違います。まれに細菌によって起こる場合もあります。
症状の経過
嘔吐から始まる場合が多いです。激しい嘔吐は半日~1日で改善してきます。嘔吐と同時にもしくは少し遅れて下痢が出現してきます。38度前後の発熱もあります。嘔吐と熱は1日前後でおさまる事が多く、下痢は数日続きます。このような経過で2~3日で自然に改善してくる病気です。下痢がない場合や、嘔吐が軽い場合もあります。高い熱や下痢が数日続く場合は細菌性の原因が疑われます。
治療
病原体そのものに対する治療はありませんが、自然に治る病気ですので、それまでの症状を軽くするように努めます。大事なのは食事の取り方です。
食事の取り方
吐いてすぐは、胃は食べ物を受け付けないようになっていますので、吐いて1時間は何も口に入れないようにしましょう。その後はまず水分から始めます。
湯冷まし、お茶、スポーツドリンクが望ましいです。大人なら一口程度、赤ちゃんや小さい子供ならスプーン1杯程度の量を、様子を見ながら繰り返し与えます。吐いたり吐き気が強く出るようならまた休憩してから再開します。
水分が取れるようになったら、お粥、みそ汁、スープ、リンゴのすり下ろしなどを少しずつ食べます。そうやって、様子を見ながら食事の量を増やして行くのがコツです。柑橘類のジュース、油物、お菓子などは避けましょう。
お薬について
当院で処方されるお薬には次のようなものです。
1 五苓散 嘔吐に効く漢方薬です。服用の仕方は、コップ半分ぐらいの水に溶かしながら、スプーンですくって少しずつ飲みます。子供さんで飲めない場合は浣腸で腸から投与する場合もあります。
2 ナウゼリン 嘔吐に対するお薬です。症状の強さに合わせてのに薬にしたり座薬にしたりします。
3 ミヤBM、タンナルビン 下痢に対するお薬です。あまりピッタリ下痢を停めるのは身体にも良くないので、少しましになれば良しとします。
4 その他 脱水の激しい方には点滴で水分を補ったり、吐き気の薬(ノバミン)を注射する場合もあります。
細菌性が疑われる場合は、抗生物質が処方されます。
まとめ
ウイルス性胃腸炎は、必ず自然改善する病気です。初期に水分や食事の取り方が拙くて症状を悪化させることが多いので、そのあたりを上手く乗り切りましょう。



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