2007/01/29(月)01:23
字幕三昧の日
今朝は娘のベッドで目が覚めた。
昨夜飲み会から帰ってきたとき、娘がまだ起きていて寝かしつけようと一緒にベッドに入ってスプーンが2つ重なったような格好で寝ていたら、不覚にも僕が先に寝てしまいシングルベッドでスペースの無くなった彼女は僕のベッドで寝たそうだ。
まあ、こんな事が許されるのもあと数年だろうな。
今日はヒロキのベッドが来た。
部屋から2段ベッドが無くって部屋は明るくスッキリ。
窓際に置いたベッドに寝ころんだら窓から青空が見えて、白い雲が流れて行くのが見えた。
これはやみつきやな~。
今日の午後はワックスがけだった。
ヒロキは遊びに行き、ミドリとカズは昼寝をしていたので僕は久しぶりのDVDタイム。
本程じゃないけど積ん読が貯まっていたのだ。
配偶者は、僕の買う映画は重い奴が多いからな~と言いながら別の部屋に逃げていく。
彼女は主人公が絶対に死ななくて、映画館から出てきたら何も残ってない映画が好きらしい。
一番好きな映画は、スティーブン・セガールの「沈黙の艦隊」って言うからな。
今日の1番手は、アオエさんに教えて貰ったこれ。
ジャケットが如何にもB級ホラーみたいな感じなんだけど、なかなか見応えのあるサスペンスでした。
トラボルタって、あのたらこ唇と言おうか、フレディ・マーキュリーの様な暑苦しさがあって好きな俳優じゃないけど、なかなかの好演だったと思います。
主人公がもと刑事の映画の音声技師で、映画の小道具や狂言回しの道具として録音機材や、映画の機材が沢山出てくるのも良い味付けになっていました。
ラストのパレードの中を主人公が走り回るのは、「タイトロープ」のイーストウッドを思い出したし、バックに花火がドンドン上がるのは「ポンヌフの恋人」を思い出しました。
まあ、ポンヌフの場合は花火は希望の象徴みたいな感じだったと思うけど(学生時代に見たので内容が怪しい)、この映画の花火は悲しみの象徴のような感じね。
大筋はアオエさんが語ってくれているのでそちらを読んで頂くとして、米国映画の癖にこのラストは無いんじゃないか~って思ってしまうけど、それだけに余韻が残るのだとも思う。
トラボルタの悲しみがぽーんと置き去りにされた感じね。
(ちょっとネタバレになるけど)、冒頭のシーンで主人公が求められていた「叫び」の音声。
この音声の完成されたのがラストで使われる。監督に「これこそ叫びだ」と言わせたその叫びの主は・・・。
原題の「Blow Out」ってのが凄く良いタイトルだと思うんだけど、この日本語タイトルはちょっとじゃないのと思ってしまいます。パッケージのようなトラボルタの叫びは出てきませんが、彼の心の中の叫びは聞こえてきます。
B級ホラーじゃなくて、なかなか味のあるサスペンスだったな。
そして次に見たのがこれ。
年末に「愛と青春の旅立ち」の事を書いたときに、学生の頃に見た青春映画(少年刑務所が舞台だった。別にそんなに感動的でも無かったけど、これも青春映画だったよなあと思い出した訳)の主役がショーン・ペンじゃなかったっけ?と彼の映画を検索していて、結局その映画は分からなかった(彼の主演では無かったのだろう)けど、その際に面白そうと見つけたのが「ミスティックリバー」とこの「デッドマン・ウオーキング」だった。
これもかなり有名な映画らしいので、わざわざ筋を書くこともないだろう。
って言うかそんなに筋自体の無い映画なのだ。
凶悪犯罪を犯して死刑を待つばかりの死刑囚と、そのカウンセリングを引き受けた尼僧のココロの交流を描いた映画だ。
多分、先にサスペンスを見てなかったら寝ちゃうかも知れないなと思ったけど・・。
実際に見ていると、地味な展開にもかかわらず寝ることもなくどんどん映画の中に引き込まれて行くのだった。これはひとえに俳優の演技力のせいだろうなと思う。
裁判関係、犯罪関係と言うと最後にはえん罪が晴れて・・と言うことも多いけど、これは決してそういう映画ではない。
制作者の方には恐らく死刑制度に対する疑問とか死刑制度反対のメッセージが込められているんだろう。僕はどちらかと言えば死刑賛成と言うか、賛成と言うより「しゃあないけど、死刑しか無いか・・」ってやむなし派なんだけど、この映画を見ているとやはり死刑は計画された殺人だと思う。まあでもそういうメッセージが表だって目立っている訳ではない。
キリスト教的考え方もかなり入ってるんだろうけど、そういう事を抜きにして僕がこの映画を見て感動したのは、どんな人間とも死を前にしたギリギリのところでココロは通い合い得ると言うことだった。そして、許し許される事によってしか救われない魂があると言うことだった。
しかしミスティックリバーと言い、この映画と言い、ショーンペンって凄い俳優やな。
しかし、字幕の嫌いな僕が2本も続けて字幕を見るとは思わんかった。
こうなりゃやけくそである。
家人が寝静まった10時過ぎから3本目に突入。
これは以前に「仕立屋の恋」の日記を書いたときに、蘇芳色さんに教えて頂いていたこの映画だ。
髪結いの亭主(パトリス・ルコント監督)
しかし、いつも思うけどフランス映画って独特の映像だよね。
ちょっとフィルターを通したような色彩。
フィルムの質や保存する空気が違うとこうなるのかしら?と思ってしまいそうだ。
主演女優のしみ出すようなエロティシズム、そして主人公の軽妙なアラブダンス?がこの映画を引たてている。
少年の頃から髪結いの亭主を夢見ていた主人公が、大人になり念願がかなって美人の髪結いの亭主になった。
初対面で「結婚してください」と言う男も男なら、それを受け入れる女も女。
毎日が愛と抱擁の日々。
静かな狂気とも言える愛が蓄積して10年が過ぎ、その最後の結末は・・。
誰もが予想できない結末。
ルコントは、観客を驚愕の海に突き落とす。
突き落とされて何とかはい上がった観客にはジワジワと余韻が広がり・・。
愛とは何かを否応なしに考えさされてしまう。
しかし、これだけタイプの違う映画を3本立てで見たのも久しぶりだな。
頭沸いとるで・・。