見たまま、感じたまま、思ったまま

2007/09/06(木)00:35

ライブまであと1ヶ月

この歌が好きだ!(106)

気がついたら、もう今年のライブまで1ヶ月になっている。 まあ、毎年のように淡々と予定は進んでいるのだが。 そして毎年のようにチケットは売れていない。 毎年、前売りで売れるチケットは数枚。 でも、当日には満席と言う状態だが、今年もそうなると言う保証はない。 前売りで売れているにはこしたことないんだけどね。 大体にして、チケットを置いているのが当院と、ZEST(僕の前に勇造さんのライブを主催してくれていた山上さんのアクセサリー&ラッピングのお店)、そしてNight&Day(僕がピアノを習っている先生のライブハウス)、そしてカフェケストナーの3カ所だけからなあ。 ケストナー以外は超マイナーなお店だし(笑)。 今年の目玉は何と言っても、火取ゆきさんだろう。 勇造さんのステージが素晴らしいのは分かっているし、彼のライブはもう7年目なのでどんな風に準備して進行していけば良いかが分かっている。 ゆきさんのライブは初めてで、何もかも手探りなので新鮮と言えば新鮮だし、不安だと言えば不安だ。 よ~く考えてみたら、僕はゆきさんのステージに接した事が一度も無いのである。 彼女の歌が素晴らしいのはアルバムを何度も聞いて知っているが、実際にステージがどんなものかについては全くの未経験。 まあ、思い切った事をしたものだ。 まあ、僕は自分の耳を信用して居るんだけどね。あれだけの歌を唄う人が詰まらないステージをするはずがないと。 でも、ちょいと心配になったので色々とネットで彼女のライブを検索してみた。 まあ、それで心配は吹き飛んだね。 彼女は渋谷のアピアと言うライブハウスの出身だ。 このアピアと言うところは、単にライブをやる小屋ではなくて、新人の発掘オーデションからレコードの製作販売まで全て手がけている。 彼女はアピアかしまし娘の一人・・じゃなかった、アピア3人娘の一人と呼ばれているらしい。 今はもう卒業生って感じなのだろうけど、毎月のようにアピアのステージには立っているみたいだ。そのステージが同じアピアで唄う色々なミュージシャンから絶賛の嵐なんだよね。 カワカミアラタと言う歌い手がいる。 彼女はゆきさんの友人でもあり、また彼女が尊敬するミュージシャンでもあるけれど、彼が見た彼女のステージの様子を抜粋してみよう。 ******************************************************************** 風の強い日。渋谷アピアへ向かう。 その向かい風が、まるで行く手を阻むようにも思える春の嵐の中を。 あの人に見つめられるゆらゆら揺れる蝋燭の火になる。 あの人に抱擁されて遠く離れた母なるもので身体中が一杯になる。 歌うというプロフェッショナル「火取ゆき」のステージを観る。 満開の桜の花びらがアーモンドの花に見えた夜。 それは【抱擁】から始まった。小池真司さんの詞にトシさんが曲を付けたものだ。たどたどしくも聞こえたアコースティックギターの音が聞こえた瞬間に場内に緊張感が走る音がした。「たったひとりが溢れだす」というフレーズをたったひとりで奏でたゆきさんは、全身白づくめだった。 のっけから抱かれた。火取ゆきの歌に抱かれて揺れる夜の始まり。白いブーツが3拍子で踊り、曲は【ワルツ】へと変わる。 そして、やはり2曲目にしてゆきさんの瞳は潤んでいた。それを観ていたこちらも涙してしまい、2曲目にして泣かされた。3コーラスめと4コーラスめの歌詞が入れ替わっていた事などに気がつくはずもなかった。 MCの中で紹介される形で小池真司さんがステージに上がる。 【アジア】が踊る。ブーツの踵が跳ねる。この曲を初めて聴いた時立ち上がれなくなったのを思い出す。ゆきさんの低い声のうねりが炸裂する。身震いするほどの表情豊かな歌。小池さんのギターは、もはやサポートなどという領域は遥かに超えて、無くてはならない音を放っている。 【ダウンタウンへ行こう】。 曲中のMCは毎回変わる。「突き抜けるまでにはもうちょっとかかりそうだ。」と言っていた。ブルースの中のゆきさんがジャニスと被ったりして見え、その熱さでチョコレートは溶けて滲んだのだ。 【海みたいな空だ】に続き、新曲の【新世界】。 ぶっ飛んだ。まさに新世界だった。細い喉が擦り切れてしまうような、搾り出すようなシャウト。「私が貼り付けた私というレッテルは、たちまち私を保護する骨の記憶。校庭の片隅の逆上がりの途中で世界を見るように、回転出来ずに置き去りの放課後。」その身の動きは、舞踏家のそれであって。観客側の、言葉にまとわりつく執着を断面から1滴の血液さえも滴らせずに斬って行くかのように見えた。曲が終わっても暫く動けない自分が居た。 硬直した背中を撫でるように。 【真昼の星空】を歌うゆきさんの表情は完全に歌う人の顔であり、王者の風格を兼ね備えて居た。火取ゆきという船は静かに進み出し、途中荒波に遭い、嵐を抜けて海面にキラキラと照り返す陽射しの中に居た。それほどの緩急をひとつのステージで表現する人。「此処は真昼の星空で、生まれたばかりと死んだばかりが今は一度に見える時。」そんな歌の中にあるようなステージ。 ラストは【祈り】。 「心を抱く腕があるなら、抱かせてやる心があるなら。」 「もう人生しか残されているものはないよ。」 小池真司さんとの二人のユニットでのステージを初めて観た。音数的にソリッドになっている分、ゆきさんの歌そのものが剥き出しで居た。そして、この人の歌は決してサウンドには揺らいでしまわない大きさなのだと知る。そこに本当の「体重」の意味を知った夜となった。 渋谷アピアに火取ゆきが居る限り。 居て歌い続ける限り。 オレもやろうと思う。 素晴らしいステージをありがとう! ***************************************************************************** このときのライブの画像を見たい人はカワカミアラタ掲示板をどうぞ。2006年の3月29日のところだよ。 そしてこのカワカミアラタもなかなか良い歌を歌うんだよなあ。 ライブまでの1ヶ月間、少しずつゆきさんのライブが実現するまでの裏話やネットで集めたライブの様子など書いておこうと思う。

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