2010/01/20(水)02:18
浅川マキ グッバイ~板橋文夫
まだ、浅川マキさんが無くなったニュースが尾を引いている。
デビューから40年近く経った今も、デビューの頃と同じ黒のドレス、黒のブーツでステージに立ったマキさん。
“アンダーグラウンド”と“(いわゆる)アングラ”を混同してはならないと主張。独自の美意識を貫く姿勢を「時代に合わせて呼吸をするつもりはない」と言ったマキさん。
外国作品を自ら日本語で唄う場合、原作の保つ世界観を損なわぬよう先ず対訳を依頼し、メロディーから受けるイメージも採り入れたうえで推敲し新たに詩作を行う。そのため表記を “訳詩” とせず “日本語詩” としていた。
生涯、CDの音質に関しては懐疑的で、自分のCD化された音源もすぐに廃盤にしてしまったマキさん。
昨日いくつかマキさんのYOU TUBEの音源をアップしたが、僕が一番好きなグッバイの音源がなかった。
この曲はジャズピアニスト、板橋文夫の佳曲。
新宿のジャズ喫茶のエンディングテーマであったと言う。
それを気に入っていたマキさんが日本語の歌詞を付けた。
ライブでは、ピアノの導入からアルトサックスが旋律を歌い、ギターソロが入り、そしてマキさんがあっさりと歌って終わる。マキさんの歌唱はわずか1分程度だ。
(あっさりと言うのは文字通りのあっさりではないが)
♪今 しずかな夜
♪ちょうど いい季節
♪誰も知らない 抜け道を
♪急ぐ あなたが 見える
♪自分にさえも さよならした
♪あなたの 背中がゆく
♪もう愛さないの
♪闇をかけるさすらい人
♪闇をかけるさすらい人
花に嵐の例えもあるさ
サヨナラだけが人生さ
この言葉が好きだ。
でも、この言葉の境地からはほど遠い人生を送っている。
いつもいつも、何かに後ろ髪を引かれ、誰ともサヨナラしたくない、そんな人生を送っている。
だからこの言葉に、そしてこの歌に惹かれるのだと思う。
もし僕が死んだら。
告別式にはこの歌を流して欲しいといつも思っている。
マキさんの歌唱はなかったが、YouTubeをを探せばこの歌はあった。
森山威男のカルテットでは(板橋がピアノを担当)この曲をよく演奏していたし、
板橋のピアノソロでも聴くことが出来る(YouTubeには無い)
ここでは、板橋のバンドの演奏を紹介しよう。
板橋文夫 Good-Bye ゲバラバンドのグッバイ
追記
マキさんの音源はどんどんアップされているようだ。
グッバイが見つかった。
文字通り、マキさんの最後のグッバイを・・。
浅川マキ グッバイ