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旅のノート★むかつく話
 その4・ヒステリー女

 さて、その翌日。
 TGVの予約を変更するか、キャンセルするかしてやろうと駅へ行くと、前日のインフォメーションのドアは、なんと閉まっている!がーん、日曜は休み!あの親父に文句言ってやろうと思っていたのに。

 待合室側の窓口が一つだけ開いていたので、事情を説明して、切符をかえてもらおうとしたところ、そこにいた係りの女性は、人の話をろくに聞きもしないで、
 「ここは、予約窓口ではない。列車の中で、車掌にきけ」
と宣わった。じゃあ、しょうがない、予約変更がだめなら、モンペリエ経由のほうの切符を買おう。そう言いかけると、
 「ここは、予約窓口じゃないんだってば!」
というような勢いで言われてしまい、とりつく島もない。それでもめげずに「予約じゃなくて、今日の切符を……」と説明しかけると、さらにかみつくような同じ返事が跳ね返ってきた。

 なにも、眉間にしわを寄せてどならなくたっていいんじゃないの?
 予約窓口じゃなくったって、一応、切符売り場だろー。コンピュータもちゃんとそこにあるじゃないの。ったく、融通がきかないんだから。あんた、じゃ、いったいなんのためにそこにいるの、と言いたい。第一、なんちゅう態度や。昨日の親父といい、このヒス女といい、ほんっと頭くる。フランスの駅の窓口の職員は、態度が反っくり返っているよ。

    おまけ

 さて、エメラルダスは、この後パリまで立ちっぱなしだったのか、それとも運良く座れたのか?
 結論から言うと、座れた。しかも、ボルドーまでは豪華サロンを独り占め。どういうことかというと……。

 トゥールーズの駅でカルカッソンヌからの普通列車を降り、TGVの発車ホームへ。前日の親父を呪いながら、車両のデッキに立って、発車時刻を落ち着かない気分で待っていた。デッキには、幸い、ドアのそばに倒して使う補助イスがついていたので、最悪の場合はこれで我慢しようと思いながら。
 この車両には、日本の新幹線みたいに縦に座席が並んだ普通の車室の他に、デッキの反対側、床より一段高くなったところに、特別室らしい小部屋があった。いいな、あの部屋。でも、きっと別料金だよね。
 さて、車掌が乗り込んできたので、予約券を見せると、なんと例の小部屋を指さし、正規の客が乗ってくるまで、そこに座っていていいと言った。やった、ラッキー!!

 半円形のサロンは、壁の上の方にテレビもあり、窓の位置が高くて見晴らしがよく、イスの座り心地もいい。8人がゆったり向かい合って座れるサロンを、ボルドーに着くまで私は一人でゆうゆうと占領していた。
 ボルドーからは、喫煙車に座ることができた。これも車掌が教えてくれたのだ。急いで喫煙車に移動してみると、けっこう空席があった。してみると、あの窓口の親父、ほんっとに意地悪したに違いない。喫煙席が空いているのに、立ち席承知の券をよこすなんて、なんてやつだ!親父に対する怒りが倍増した。だが、まあ、結局座れたわけだし、車掌が親切だったのでよしとするか。

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