ここからノートルダム寺院へ至る運河沿いの道は、絶好の散歩コース。
緑色の水面に映える、古い建物の煉瓦色の壁。水面にせり出したレストランの白いテラス。護岸を飾る赤い花。
特に、グロウニング美術館からノートルダム寺院の裏庭に至る小道に、私は強く引きつけられた。迷い水のように現れる水路の上にかかる、小さな太鼓橋。水際の建物も、ここらへんは、特に古びて美しい。いつまでもさまよい歩きたくなる道だ。
ベギン会修道院への迷路のような小道がまたかわいらしい。
細い路地の両側に並ぶ白い壁の建物は、軒が低く、ドアも小さく、絵本から抜け出てきたかのよう。レストランの二階の窓からは、人間の大きさの人形が、身を乗り出して、通りの観光客たちに手をふっている。 |