「パリの宝石」-サント・シャペル
石壁に挟まれた、螺旋状の狭い石段を登って行き、最後のステップに足をかけたとき。私は思わず息をのんでしまった。光。光。光。虹色の光の洪水。周囲すべてがステンドグラスなのだ。高い天井を支えているのは、伸び上がる若枝のような優美な細い柱だけ。後方には大きなバラ窓がひとつ。動き回る人はほとんどいない。大勢の観光客たちは、皆、一様に立ちつくし、夢見るような顔つきで、ガラスの繊細なきらめきに見とれている。テラスの扉から眺めると、ちょうど正面、中央奥の窓に日が当たって、部屋全体が、日暮れ時のような金色がかったばら色の光に満たされて見える。言葉にならない美しさだ。まさに、パリの宝石。今日の日記の出だしはいきなりガイドブック調。(^.^)パリのサント・シャペルを訪れた時の印象を書いてみました。私は、美術館を訪れるのも好きだけど、教会のステンドグラスを見るのも好き。それほどたくさんの教会を訪れたわけじゃないけど、今まで見た中で、圧巻だったのは、やはりフランスのシャルトル大聖堂のステンドグラス。あのブルーの空間、そしてばら窓の圧倒的な美しさには心を奪われます。それから、イギリスはヨークミンスターの、ファイブシスターズとよばれる灰色がかった緑色の繊細なきらめき。そして、パリのノートルダム寺院のばら窓。シャルトルのばら窓が宝石の輝きだとすれば、こちらのは、露を含んだ紫陽花のような輝き。でも、一番感動的だったのは、ひょっとしたらパリのサント・シャペルのステンドグラスだったかもしれません。サント・シャペルは、シテ島にある裁判所の中庭にある教会で、2階建てになっています。1階は、天井が低く、ステンドグラスも天井近くにわずかばかりほどこされているだけ。そのせいか、地下礼拝堂のような感じがします。(間違っても、ここだけ見て帰ってはいけません。ま、そんな人はいないだろうけど)この暗く重たい感じのする礼拝堂から、狭い石段を伝って登って行くためか、2階に出たとたんに目にする光の効果は絶大。なんだか体がふわ~っと空中に浮遊するような感じを受けます。その瞬間、私の脳に浮かんだのは、「天国に行く船」という言葉でした。☆下は、「写るんです」で撮ったサント・シャペルのステンドグラス。無謀ですね。そもそも使い捨てカメラでステンドグラスを写そうとういうのが間違ってる。Photoshop Elementsで修正を試みましたが……もとがひどいので、これがせいいっぱいですわ。う~ん、これだとちょっとイメージが……ネット上には、これよりはるかにキレイな写真がたくさんあるので、興味を持たれた方は、検索してみてください。googleの画像検索で、「サント・シャペル」で検索すると山のように出てきます。でも、どれも本物の輝きには遠く及びませんね……。