美味しい珈琲が飲みたい

2008/02/03(日)00:15

ドリップと重力

試行錯誤の跡(38)

昔、議論好きの友人と珈琲を飲みながら話をしていたときに聞かれて 今でも記憶に残っている質問です。 「(地球以外の惑星のように)重力が違うところでドリップ式で珈琲を淹れるとどうなるのか。」 重力が小さくなるとドリップができなくなるのはすぐにわかります。 無重力状態では絶対にドリップはできません。 重力が大きいところでは、どうなるのか。 そのときは、重力が大きくなるとお湯が速く落ちて抽出時間が短くなるぐらいで、 それほど違いは無いのではと適当に答えましたが、 何か引っ掛かるものがあり、時々考えてみるもののそれが何なのかわからず 現在に至っています。 これとは別に、普段は自分で飲むために1.5杯分の珈琲をペーパードリップで 抽出しています。 ときどき、3杯分以上の珈琲を抽出すると、いつもの1.5杯分で抽出したときの味に ならないことを体験していました。 それはなぜなのか。 そんなときに、フレーバーコーヒーさんが減圧抽出装置「アポロくん」を開発され 驚いている間もなく、続いて「アポロくん・ミニ」を開発され、今ではその装置も販売されています。 40杯分の多量の珈琲をペーパードリップで抽出すると 通常のペーパードリップでは抽出されない珈琲の油分が抽出されるということをヒントにして、 サーバーだけ減圧する「アポロくん・ミニ」を考案されたそうです。 フレーバーコーヒーさんのサイトの「アポロくん・ミニ」に書かれている内容で 参考にさせていただいたところをまとめてみますと、 水と油は反発するため、水を含んだペーパーは油分を通しにくくなる。 (ペーパードリップしているときに、珈琲の油分はペーパーの直前まで  来ていてペーパーに遮られている。) そこで、油分がペーパーを通り抜けるだけの力を加えてやれば、 ペーパーフィルターでも珈琲の油分を抽出できる。 ということになります。   ここでは油分とかきましたが、実際には、油分の他にも   分子の大きい成分がペーパーを通り抜けるものと思われます。   (一般には珈琲の雑味成分?微妙な成分?も分子が大きいと思われます。)   そこで、珈琲の中にとけ込んでいて水に馴染みやすく珈琲の味を   重たい and/or まろやかな印象にする成分のことを、   以下の文章では総称して油分と呼ぶことにします。   珈琲の表面に浮いて見える油(水に馴染みにくい? 粘度が高い?)   とは区別しています。   珈琲を飲んでいるときに油分として感じられる成分は何なのか、   その性質として水との馴染みやすさや粘度の違いはどうなっているのか、   などは調べていません。   詳細な成分の分析は化学が得意な人におまかせします。 閑話休題 「アポロくん・ミニ」の原理を知ったことで、 冒頭の「重力が大きい状態でドリップすると…」の疑問が解けました。 ペーパードリップしているときに、 ドリッパー内の珈琲に重力よりも大きな力をかければ、 通常の重力だけではペーパーフィルターを通れない珈琲の成分が ペーパーを通って抽出できるようになる。 ということは、珈琲の味(特に油分が多く重たい and/or まろやかな印象)が変わる。 1.5杯分と3杯分や40杯分の抽出では、 ドリッパー内のお湯の量や流速が異なり、 ペーパーフィルターにかかる圧力が変わるため、 ペーパーフィルターを通り抜ける珈琲の成分が変わる。 フレーバーコーヒーさんの「アポロくん・ミニ」は、 ドリッパー内のお湯に重力以外の力を加えるために、 ドリッパーの下にサーバーを密着させて減圧しています。 減圧することでドリッパーからサーバーに引っ張る力(下向きの力)を加えています。 それでは、サーバーを減圧したり、ドリッパー内のお湯の量を変える以外に ペーパーフィルターに加わる圧力を大きくする方法は無いのでしょうか。 重力の大きさを変えられれば良いのですが、 そんなことは可能なのでしょうか。 明日の日記に続きます。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る