2015/10/05(月)16:36
「四月は君の嘘」11巻(最終巻)ネタバレ感想
四月は君の嘘(11)<完> [ 新川直司 ]
終わりましたー!
11巻という巻数でちゃんとまとまっていてよかったです!
個人的にはすごく満足の結末でした。
もちろん悲しいけど、現実的だし、前向きだし、これがベストかな、と。
かをりが集中治療室に入っていると知ってから公生は塞ぎ込んでしまいます。
先生が喝を入れても全然…。
精神弱いな…と読んでいてちょっとイラっとしましたww
そんな公生へかをりから“カヌレ食べたい”という手紙が。
集中治療室から病室に戻れたかをり。明るく装っているけど、やっぱり病人で自力じゃ歩けないみたいですね…公生がおんぶして屋上へ行きます。
そこで、東日本ピアノコンクールと同じ日に手術することを告げるかをり。
「私は必死にあがくよ あがいて あがいて あがきまくってやる」
「君はあがかないの?」
だけど下ばかり向いている公生。
「もう一週間もピアノに触ってない」“頭の中と心の中がぐちゃぐちゃだ まともに弾けるわけない”
「こんな状態で弾けたら奇跡だ」
そんな公生にかをりは、足が震えながらも立ち上がってヴァイオリンを演奏する仕草をします。
「ほら 奇跡なんてすぐ起こっちゃう」
だけどまたすぐ立てなくなってしまって、「怖いよ 私をひとりにしないで」と泣き出すかをり。このシーン好きです。前を向いている強いかをりだけどもちろん本当はすごく怖いっていうのが等身大のありのままの姿かなと思います。
そしてコンクール当日。かをりは手術室へ。
相変わらず公生は微妙な精神状態。
かをりが頑張ってるんだからお前も頑張れよと思ったのは私だけではないはず…!
そしていざ舞台に上がっても自分の手に血がついているように見えて、その手で顔を覆う公生。
そんなとき、
「ひっちょ」
という変なくしゃみが!
椿のくしゃみです。
公生はそれを聞いて椿が来ているんだと“みんな 見ているんだ――”と思ってピアノを弾き始めます。
これはもう、椿の手柄ですよ完全に…!
というか、ここで椿のくしゃみで冷静になったのを見て、公生には椿が必要なのかなと…。
恋をしているのはかをりだけど、私は最初から椿派だったので(´∀`)
もうここからはモノローグだらけで、さくさく読めるんだけど引き込まれて深いなぁと思いました。
今までのかをりとの思い出とか、今まで支えてくれた人のこと、側にいてくれた人のこと、色々なことを感じながら演奏する公生。
“一人になんかさせてやるもんか 届け 届け 僕の全部をのっけて 届け――”
そんな公生の演奏は聞いている人たちの心に響きます。
「恥ずかしいやつだな この演奏は告白だ」なんて言ってる相座。
良いシーンだったけど、お前のセリフのほうが恥ずかしいよwwと突っ込まずにはいられませんでしたww
そして手術中のかをりの幻が舞台に立ち、公生とかをり二人での最後の演奏。
そして演奏終了と同時に消えてしまうかをり。
客席はスタンディングオベーション。
公生は涙を流しながら“さようなら――”とかをりに告げるのでした。
そして最終話。
かをりの両親は、お墓の前で公生にかをりからの手紙を渡します。
その手紙には、公生がピアノ教室の発表会で演奏をしたとき、小さい女の子が泣いてしまったその隣にいた女の子がかをりであり、それ以来公生はかをりのあこがれになったこと、公生にピアノ弾いて欲しくてヴァイオリンを始めたことが書いてありました。
そして、自分の命が長くないことを知り、後悔しないために好き勝手して、そして一つ嘘をつきました。その嘘が、渡を好きだという嘘です。
それは椿が公生のことを大好きだったから、椿と公生はそのことに気づいていなかったけど、かをりは公生を紹介してとは言えなかったんですね。
そして最後に、
“有馬公生君 君が好きです 好きです 好きです” “ありがとう”
ジーンと来ました…(´;ω;`)
一方椿はどう接したら良いのかわからないみたいでしたけど、友人に言われたとおり、いつもどおり接します。
「一人になんてなれると思うな 公生」
椿らしくて良かったです!
そして手紙には、写真が同封されていて、その写真には発表会のときにかをりが写真を撮った後ろに偶然写り込む公生が。
うん、読み直したくなりました!
しかし結局かをりの病気はなんだったのでしょうか…病名とか出ていなかったように思うのですが。
かをりは亡くなってしまったけど、公生をピアノの道に戻したのはかをりだし、公生の特別であることはずっと変わらないんだな、と思います。
正直途中公生の演奏中、“届け”とか言ってたから、想いが届いてかをりは助かるのかなとか思ったりしましたが、そうなると興醒めしそうだったので個人的にはこの終わりはすごくよかったです!
次回作も期待します(^∇^)