静かな時が流れる｢風の庭」

温室代わりの廊下に避寒させている金のなる木の花が咲き始めました。

新芽が出たときに、その先に穴の明いた五円玉を通しておくと、

芽が伸びて、茎が太くなり、もう五円玉は動かなくなります。

昔、食べ物やさんの玄関で、

大きな鉢いっぱいに五円玉を実らせた金のなる木を見たことがあります。

なるほど、それでこの名前が付いたのか、と妙に感心したことを思い出しました。

でも、なんだか可哀そうですよね。

いまは、そんな金のなる木を、私は見たことはありませんが。

今日は、午後に、施設のＳ子さんを訪問しました。

いつもご一緒するＹ先生は、いらっしゃらなくて、私一人の訪問です。

先月もそうだったのですが、じつは、Y先生は、

十二月の始めに、自宅の玄関で靴を履こうとして転んでしまいました。

背骨の合い間にある軟骨がつぶれたとかで、

大怪我にならなかったのが、不幸中の幸いでした。

三人で、S子さんの部屋で、食事会をしたりしてきましたが、

お二人ともいくら健康とはいえ、92才の高齢、

いつかはこういう突然に、習慣が絶たれる日がくることを恐れていました。

入院したというお知らせを娘さんから電話頂いたときは、

ああもうダメだ、歩けないかも・・・、と、思いました。

でも、先日友人たちとお見舞いに伺ったら、まあ元気！

歩行器をはずさないように、といわれているのに、

つい忘れて、自力で歩きまわってしまうのですって。

良かった良かった、とほっと一安心です。

この寒さの日々、誰が考えたって、

三月いっぱいくらいは、家にじっとしていてほしいな、と思いますでしょう?

それなのに、S子さんのところへは、二月には行けるから、と言うんです。

娘さんも、私たちもびっくりして、ダメダメ、寒いのだから、

暖かくなるまではだめですよ、とみんなで宥めた次第です。

とどめに、娘さんが、そんな我がまま、チマミさんにご迷惑よ、と言ってくれ、

ね?  と言うので、私も、助け船が来たとばかりに、うん、と頷きました(笑)

今日の訪問で、S子さんから聞いた衝撃的な話は、また後日話しますね。

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