犬食論争というのがあるらしいですが。
犬肉食論争なるものがあるらしい。それについていろいろと検索をかけてみたが、どうやら犬肉輸入量増加をうけての批難が中心にあるようだ。もちろんそういった食文化を批難する者もいれば擁護する者もいる。こういったことで大切なのは品格をもって論評することだろう。先に触れておくが自分自身は犬好きなので食べるなどということは考えられない。だが鯨を食べることから犬肉食文化を野蛮とまで卑下する気にはなれない。まず日本への輸入量が増えたからといって日本人によってどれだけ消費しているかはわからない。もともと犬食文化のある国からやってきた人たちが故郷を懐かしんで食べているという発想がまず先立つものではないだろうか。しかし幾つかの記事では「そういうものでもないらしい」と補足を入れている。犬料理を出す店では確かに日本人からの注文も増えていると証言を加えている。だがここもよくわからない。なぜその客が日本人だと確認できたのだろう?日本語しか話していなかったとしても在日二世、三世かもしれないし、その両親祖父母の影響で犬食文化に嫌悪感なく育ったのかもしれない。それにある店で日本人からの注文は増えていたとしても、他の店では減っているのかもしれない。総合的に見れば日本人が興味本位で食べる傾向は減っているのかもしれない。だが在日外国人からの需要があるので結果として輸入量が増えたのかもしれない。ここら辺りのデータの集めるかたがあまりにもあいまいすぎる。次の知らずに食べさせられていることも考えられるだろう。他の動物の肉に混ぜて使う、もしくは偽って売るというケースである。こういうことは数年前の事件でもあった。(そのときの犯人は日本人ではなかった。だが日本人ならやらないとは限らない。)つまり日本の輸入量が増えたからといって日本人という言い方で批難するのはやめて欲しいということだ。「日本人が食べることが増えたという証言がある」などといっても、その証言自体に統計的な裏付けがなされておらず信憑性に欠けている。犬食に嫌悪感があるのなら「犬を食べてる人」と言えばいい。食文化という括りには民族も国籍も宗教も関係ない。一見して食のタブーのある宗教でさえも宗派によっては許されているのだから。「鯨やイルカは知能が高い」、「犬は昔から人間のパートナーだった」という理屈はわからないでもない。だが「馬は地上で最も美しく走る動物」であるし、「牛は牧歌的な癒しを与えてくれる」、「ウサビは抱きしめたいほど可愛い小動物」である。食べるなという主張もあっていいとは思う。主張する自由はあるのだから。だがなぜ特定の動物しか守ろうとしないのかがわからない。そういうエゴイズムこそが野蛮にうつって仕方がないのだが、当人たちは他人を野蛮と罵るのに忙しくて自分を顧みる気にもなれないのだろうか。