自分の周辺に恥ずかしい人らがいた。
WBC準決勝、強打の韓国がベネズエラを打ち砕いた。その時の韓国側の反応は、反ベネズエラ感情を剥き出しにしての喜びようだった。WBC準決勝、集中打の日本が追いすがるアメリカを抑えて決勝進出を勝ち取った。その時の日本側の対応は、反米感情を丸出しの騒ぎだった。WBC一次トーナメントB組第二戦、打線の繋がったオーストラリアが格上と見なされたメキシコをコールドで打ち破った。その時のオーストラリアの喜びようは、反メキシコ感情をあらわしたものだった。なんとでもいえる。どんな国どうしでも探せば過去に因縁のひとつやふたつぐらいはあるだろう。馬鹿は死ななければ治らない。世の中にはこれといった洞察力もないクセに己の色めがねで覗いた景色を簡単に鵜呑みにするどうしようもない人間どもがいる。人の気持ちなどわかりようもないはずなのに、己ではそれがわかると思い込む馬鹿者たちである。しかも相手は集団で、その中にはそうである者もいればそうでない者もいるはずなのに、何事もひと塊でしかみることのできない先入観と偏見に懲り固まった差別者である。国際大会で世界一を賭けるともなれば、誰しもが勝ちに拘り大会に参加している。しかも今大会はダブル・エリミネーション方式というトーナメントを採用している。勝てば勝ほど先に勝ち抜けられ、こなす試合数が少なければ投手に与えられる休養も充分なものになる。そしてこういった大会では投手力がものをいうのである。勝って喜ぶのは当然のことだろう。しかもその中で韓国は、オリンピックで金をとっている。WBCもとれば二冠達成である。日本が連覇を目指すのなら韓国も二冠を目指している。過去の歴史など度外視しても普通に野球の上でのライバルなのである。ほんの数年ほど前までは韓国の野球など日本の相手ではなかった。アジアの中で日本に通用する国といえば台湾ぐらいしかなかった。それぐらい日本の野球の実力派ズバ抜けていた。その格上であった日本にここ数年の通算成績で勝ろうとしているのだから、勝って喜ぶのは当然だろう。オリンピックのサッカーで日本代表がブラジルに勝ったときのことを思い出してみるといい。格上であった相手に勝てば誰しも嬉しいはずなのだ。その喜び方をみて、尋常じゃないと判断するのは見ている者の問題だろう。組織である以上、いろいろな感情が入り乱れているのは当然だ。しかしそれを指して反○○感情だと指摘するのはあまりにも早計すぎる。それは見ている者の反反○○意識といった方がいいだろう。自分の周辺にもそのような者たちがいた。だが面白いことにそのような者たちは、周囲に頭が悪いことで有名か田舎者であった。無知が差別を作るとはよくいったものだと思った。おそらく明日は、日本が勝てば韓国で日本の反韓が、韓国が勝てば日本で韓国の反日が取りざたされることだろう。早い話が、どこの国でも似たような人はいるということだ。で、そういう人って、結局自国すら嫌っているよねってな話。