平凡な大学教員 back in Tokyo の日記

2015/06/11(木)19:37

変な結果

学期末に近づいてくると、大体院生の何人かが切羽詰まっております。 私のもとには論文が終わったのが一人(一人で2本論文書くことになったアシスタントT)、 データ分析さえ終われば後は書きなぐるだけのK そして締切3週間前全く何もやっていないどうしようもないのが一人おります。 今日はその真ん中の「データ分析終わったらリーチ」なKのお話。 なんだかんだ言って、普段はのんびりというかLaid backという言葉がぴったりのKですが やることはちゃんと時間通りにやるので心配はいりませんでした。 結局Full Experimentをやることになり、Pretestからすべてやってきました。 データ収集もやり、データクリーニングも加工も終わってさぁ分析するぞと 私のオフィスで分析を始めたんですけどね・・・ ANOVAにANCOVAとかをやらせていたら 妙な顔をして言う。 「・・・でないと思ってた変数でSignificanceが出た・・・」 …そこは喜ぶところだ、K(爆)。 喜んでいいんだぞ、K! ただ、ちょっと考察書くのに苦労しそうな結果になったけど。 本人、複雑な顔をして「・・・家でちょっと他の変数を入れてみて様子見ます」と帰っていきましたが 何をやってもSignificanceが出ない時は出ないもの。 諦めろ。 というか、もういいから、そろそろ論文の残り書きなさーい! 昨日までは史上最悪の問題児で気分が害されておりましたが 普通にやっている院生とごく普通の研究の会話していると 「私の仕事はこれが本来のものなんじゃないか」と落ち着いてきた。 ただ、腐ったリンゴが最後になって関わってくるから不快なだけで。 ただ、この院生も問題児の近況を聞いて 「・・・なんで実験するのに3週間でやっつけて論文書けると思ってるのか不思議だけど 奴はいつも時間はまだあるって余裕こいてるんですよね。 いつも、どのクラスでもそう。今回もそれじゃないんですか?」という。 私の院生たちは、それぞれが「1年かけてプロジェクトやれ」といわれているので マーケとはそういうもんだ、消費者からデータ取って分析できるようになんなきゃ意味ないと 達観して論文に取り掛かります。 早目にやるから、終わらないってことは絶対ない。 普通はそうなんだよ。 多分彼らも不満はあるでしょう。 ほとんどのうちの分野の学生が、学生を放任主義で置いている同僚の「指導学生」ですから いかに適当で済むかというのを聞かされているわけです。 「うちの先生はそんなものでは卒業させてくれない」って不満にも思うでしょう。 それが嫌な学生は当の昔に逃げています。 だから残っているのは・・・一人を除いて・・・それなりに諦めなり覚悟を持って残っているということです。 ただ、最近他の同僚のところにも学生がつくようになって、 他の人たちはちゃんと学生の面倒を見ていて(私より厳しいぞ~!) 「うちの先生がおかしいのではない」と気が付いたらしい(笑)。 私はやるべきことやってるだけです。 卒業するときに自分が何かをやった、という達成感が多少でも残ればよろしい。 学生放任するほうが100倍楽ですけどね~。 おかげで先生来月末まで自分の研究する暇ないよ・・・ でも、それぞれが「この結果おかしい」とか「もうちょっとこれこうしたらこうなる」とか 各自のデータと格闘しているのを見るのも面白いものです。 数字であろうがテキストであろうが、人間から取るデータはそれなりに面白いのだよ。 あと3週間強、がんばりましょう。 先生も含めて、ね。

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