2007/04/19(木)11:59
ミミとマッコイの話
ミミとマッコイとは、毎朝6キロジョギングをしていました。ミミはとてもとても賢い犬でした。
番犬になる・・・知らない人が家に入ってくると吠える。そのほかは鳴かない。
リード無しで、ジョギングをすることができました。走っている時に2頭の犬のリードを持っているとなかなかバランスがとりにくいものですが、リード無しでも私の側を全く離れずについて走りました。
今のようにデジカメの無い時でしたから、写真が写してないのが残念ですが、ミミは鼻の頭が肌色なのが、ちょっと残微妙でしたが、しっかりした眼をした可愛い、イイ子でした。
マッコイは、鼻の頭の黒い子で、スピッツにしては脚が太いね、と言われるくらいスピッツ的でした。べっぴんさんでした。
ただ、赤ちゃんの時は判りませんでしたが、ボンヤリした子で、母親の賢さはどこへいってしまったのだろうというほどの、鈍重な子でした。攻撃性は全く無し。知らない人にでもついて行くタイプ。番犬には不向き。でも、おとなしく、なんでもミミのするとおりのことをしていましたから、リード無しでもなんの問題もありませんでした。
とりたてて、騒ぐほどの楽しいこともありませんでしたが、困ることもなく、平和な犬との日々でした。
ある日、食事を持って行って、「はい、たべなさいね。」 と言い、ミミの顔を見ますと、なんだかちょっと様子がいつもと違うことに気づきました。
「ミミ、お顔を見せて!」
顔がふくれているような・・・毛がかぶさっているような・・・
顔を近づけて見てみると、黒い点のような、ごま粒を大きくしたようなものが眼のあたりについている・・・
「なに、これ?!」
手を伸ばしてつまみました。
ダニでした。背筋に悪寒が走りました。つまんだ黒いモノは、つぶしました。パンパンにふくれあがったダニからは、血が飛び散ります。
「ミミ、どうしたのよ?!」
ミミを近くに引き寄せて、毛をかき分けたら・・・数えることが不可能なほどの赤黒い点点点・・・ぷっくりふくれあがったそれは、大きくなったモノ、途中のモノ・・・・様々な大きさでしたが、一様に赤黒く、不気味でした。
それから、貝塚いぶきの木の下から、ミミとマッコイを連れ出しました。明るい芝生の上で夢中になって毛をかきわけ、一匹づつ退治しました。なんの涙か、涙が止まることなく流れます。ミミと、マッコイの身体をキレイにする間中、涙を流していた・・・かわいそうに・・・ごめんなさい・・・気づかずにいたママが悪かった!!きっとこんな涙でした。
日曜日でしたが、獣医に電話をしてどうすべきかの診断を受けました。
「どこで、生活してますか?」
「大きな貝塚いぶきの木の下です。木陰が涼しいと思いまして・・・」
「そこで、繁殖されたんですね。ご存知でしょうがダニは草や木の葉の裏に生息していて
生物の体温を察知すると、飛び移り、血液を吸い成長するのですよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お薬を出します。それと、薬が塗布してある首輪状のベルトがあります。それをしてい ると、予防になりますから・・・」
ということでした。私はダニが草や木の葉の裏にいることなど、全く知りませんでした。無知はコワイ!!と恐ろしくなりました。
この事件のあと、南側の陽は一日中照っているけど、木陰の無い家の近くにミミとマッコイの生活場を移しました。鎖でつないでおかなくてもいいように、フェンスを張り遊び場と水飲み場とをつくりました。そのなかに、それぞれの小屋を置きました。
ミミはその事件のあと9年、16歳で亡くなりました。娘のマッコイは後を追うように、1年後に亡くなりました。マッコイは、穏やかな子でしたし、一回もお医者さまには、診てもらわなければならないような、怪我も病気もありませんでした。
ミミは、15歳でヘルニアになり、手術をしましたが、術後から丁度一年元気に暮らしました。二人ともあまり苦しむこともなく静かに、穏やかに、息を引き取りました。
ミミとマッコイのお墓には、あじさいが植えてあります。今では、株が大きくなってたくさんの花を毎年見せてくれます。
私は、いま、一緒に暮らしているビクトリア、ココア、マドンナ、そして天使になったシュンタたちのことを、ミミとマッコイに有り難うと言いながら、見守ってくださいと、毎朝晩に祈りをささげています。わが家のパートナー犬としての長女、次女の二人なんですから。