飴色の裁ち台。
私が高校1年生だったときに亡くなった母方の祖母は・・・ とても穏やかで物静かな人でございました。 しかし、穏やかなれど本当に芯の強い女性だったようです。 コウムインだった祖父は、文字通りの酒乱のアルコール中毒でございまして。 稼いだ金は一切家庭にはいれないという・・・マンガみたいなダメおやじ。 深夜に酔って帰って近所の家に上がりこみ、暴れる祖父を頭を下げて迎えに行き 帰ったら帰ったら蹴られ殴られ。 いや~~~なんちゅうか気の毒でんな。 とっとと別れちゃえばいいのに、昔はそうもいかなかったようですわ。 まあ・・・ 子供が3人もいたというのがネックだったやもしれませんね。 しかし祖母は、穏やかなれど芯の強い人でございました。 家族の食費と子供3人の学費は、何と・・・祖母が稼いでいたんでございます。 小さな家庭菜園で己の食べる分の野菜をつくっていたようですが。 現金収入は・・・和裁でございました。 祖母は、すんばらしい和裁の腕を持っていたようで・・・ 呉服屋さんから高級なお品ばかりを縫わせてもらっていたとか。 祖母は私が生まれたときには、もう和裁はやっていなかったようです。 しかし私の記憶にはかすかに残っておりますよ。 縁側にあった長い飴色の裁ち台と小さな火鉢。 小さな炭を火鉢でおこして・・・その熱で使うコテにレトロなアイロン。 私が小さいころまで、祖母の家にはそれらが残っておりました。 もしかしたらときどき頼まれものがあったのかもしれませんね。 あの縁側の裁ち台で、私もお絵かきをしたりしたもんです。 なぜ、それを急に思いだしたかと申しますと・・・ 先日ちょっと立ち寄った古家具屋さんで売約済みの裁ち台を見たからでございます。 祖母の家にあったような、飴色のつやつやの裁ち台。見た瞬間に、祖母を思い出しまして。 「これおいくらですか?」と訊ねたらば・・・もうすでに売約済みでしたのん。 う~~ん。 急に古い裁ち台が欲しくなってまいりました。 祖母の裁ち台は、もう残っていないだろうな・・・。どこ行っちゃったんだろ。お店の方に「もしまた似た感じの裁ち台が入荷したら教えてください」とお伝えしてまいりました。 高さ的に・・・今なら文机にでも棚にもできそうですわ。 ちょっと長さのある文机を探していたんでちょうどいいかもしれません。 パソコンを置いたり、テレビを置いたり。 さて、、、入荷するかどうかは謎なんですけどね。 まあ、昔は一家に一台ってくらいポピュラーだったようなので、また出物はあるでしょう♪