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リセット 垣谷美雨 著
「知子が残業で夜遅く帰宅しても、先に帰宅していた浩之は何もせずにテレビを見ていた。米くらい研いでおいてくれてもよさそうなものなのに、『腹ペコだから早く作ってくれよ。俺は仕事で疲れてるんだよ。』と舌打ちをした。その当時はコンビニなどもなく、スーパーも弁当屋も夕刻を過ぎると店を閉める時代だった。その場にしゃがみ込みたくなるほどの疲れた体でコメを研いでいると、涙がこぼれた。男とは、頼れる存在ではなかったのか。か弱い女を助けるのが男ではなかったのか。誰にも頼れずに孤独を噛みしめるこの状態は一体なになのか。・・・・」 正に現代でも通用する状態です。いくらスーパーが24時まで開いていても、コンビニがあっても状態は変わらない。男の意識は変わったのだろうか? この垣谷さんの文章は、高村 薫氏(リヴィエラを撃てなど)に似ている。描写がすさまじいまでに心を捉えて離さない。グッとくる。 久しぶりにヒットしました。嬉しい。 リセット [ 垣谷美雨 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 3, 2016 09:03:12 PM
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