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2011/05/15(日)09:42

口腔ケアのプロ達

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キャンナスボランティアで来られた歯科衛生士お二人と、活動が終了する直前で少ししかご一緒できませんでしたが、いろいろと勉強させていただきました。 震災後、口腔ケアのプロは、すぐに必要とされていた職種の一つでした。 保管された支援物資から、入れ歯洗浄用のタブレットがあって、必要な方を聞いて回り渡しておいたのですが、2,3日たってもそのタブレットは枕元に置かれたまま、一向に減りません。 う~~ん。。。お守りになってしまっている。(苦悩) なくなるのが不安なのか?もったいないのかも・・・と思い 「足りなくなったら、また援助物資から持ってきますから、使ってくださいね。」と声をかけて回ったのですが・・・ ふと気付くと・・・そのタブレットで入れ歯を洗浄漬け置きするときに必要な容器がない! 何もかも津波で流されるということは、日常に使っていたもの全てを失ってしまうという事。 ちょっと考えたら分かる事なのですが、最初はそんな事すら気がつかなかった浅はかな私。←気付いて自分に跳び膝蹴りをみまっときました。 でも問題は、そんなマウスケアの物品だけではありませんでした。 洗面所も公民館の中にあるお手洗いについている小さいものが6,7箇所あるのですが、それを130人近くの大人数で使うので、オープンの容器に入れ歯を置いたままにするのは、場所もないし気が引けるという方も多かったようです。 かといって、50床以上の畳マットが並ぶところへ持ってくるのも、ご年配の方は、蓋のない容器だと水をこぼしたりする事も心配。 そんないくつかの理由から、結局漱ぎだけに終わったり、中には気力を失って、マウスケアは完全放置になっておられる方も・・・。 これが結構危険なんですよね。 たかが歯磨き、入れ歯洗いをしないだけ・・・なんて思われるかもしれませんが、大人数で寝起きする避難所、限られた運動量と精神的なストレス。 これが一気に重なると、衛生的に保っていない口腔から感染して、肺炎を引き起こす事もあります。 この避難所は、キャンナスが用意した嗽薬とプラスティックカップの消毒システムと手洗いが徹底していたようで、インフルエンザも蔓延することなく、発熱者も隔離などで感染を防いで来れたようですが、飛び交う粉塵による咽頭痛や風邪症状の人が増えてきていたので油断は出来ませんでした。 歯科衛生士のお二人が合流されて、真っ先にお話ししたのが、入れ歯洗浄容器の事でした。 自衛隊の援助物資、仙台の薬剤師会などに依頼する事もできたのですが、それが到着するまでに・・・とプロのお二人のプロジェクトがこちら。 ペットボトルから作る入れ歯洗浄容器。 ライターで一部を溶かし、そこからはさみを入れて綺麗にカット。 短くしてキャップもそのまま利用して濾過にも使えます。 お二人はこれを手早く大量生産してから、皆さんのニーズを聞いて回り、精力的にマウスケアのお手伝いに奔走されていました。 後日、口腔ケアについての講演も控えておられたお二人ですが、私が石巻を去ったあとだったので、残念ながら拝聴はかないませんでしたが、手作りの容器・・・このサバイバル術。しっかりと脳裏に焼き付けておきました。

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