冷蔵庫が要らない理由(わけ)
「冷蔵庫、いらないんじゃないかなあ」。最初にそう思ったのはもうずいぶ
ん前のこと。なぜ要らないかというと、買ってきた食べ物をすぐに全部食べて
しまうからなのです。保存する時間が必要なかったんです。すっごい大食い?
なのか意地汚い?のか、残飯なんてありません、という生活でしたから。
冷凍食品は冷凍庫(通常は冷凍冷蔵庫というのでしょうか)があることが前提です。最近は冷凍技術が発達して、とて
もおいしくて、保存料などを使わなくてもよくて、と一時はかなりもてはやさ
れていたような記憶があります。今はまたいろいろ問題が発生して冬の時代になっているようですが。
そうした冷凍食品もどうしても食べたい冷凍食品というのがある人というの
もいないと思います。たいていはいざというときの保存食的扱いをしています
。でもいざというとき、例えば災害が発生して、停電になったら冷凍食品はだ
めです。もっと普通の日常的ないざというときには24時間あいているコンビニもファミレスもそこここにある都会暮らしの人間にとっては、冷凍食品を買って冷凍庫に保存すことはあまりメリットがありません。
オゾン層破壊、衝撃的な事実でした。フロンガス全面禁止、当然です。でも
そのときこれから冷蔵庫という優れもの?を使おうとしていた途上国の人々か
ら不満の声が上がりました。オゾン層に穴をあけたのは先進国だ。我々じゃな
い。我々はこれからその文明の利器?の恩恵にあずかろうとしているところだ。
それを穴があいたから誰もが使ってはいけないというのはあまりにも一方的過
ぎる、先進国のエゴだと。
至極当然の言い分と私は受け止めました。既に代替フロンの冷蔵庫を使って
いたのですが、それも温室効果ガスを発生するとのこと。けしてフロンの代用
として使える物ではありませんでした。
それで、必要無いかも、と思っているんだから使うのをやめようと決めまし
た。現実の話ではありませんが、そのぶんをまだ冷蔵庫を使ったことがない人
に回すのだと考えれば、人の役にも立つじゃないか、と。
最後に使っていた冷蔵庫は、自治体の回収に連絡して持っていってもらいま
した。きれいに使っていたので、本当に誰かが使ってくれているかも知れませ
ん。
冷蔵庫がないなんて信じられないという人がいるかもしれません。テレビが
無いというのより少ないかもしれないですね。でも使わなくなってみて分かっ
た良いこともたくさんあります。
夏、常温より冷たい物は飲んだり食べたり出来ないので、おなかを壊すこと
がなくなりました。それまでは良く下痢をしていたんです。食べ過ぎですね。
モーターがグィーンと動き出す音からも解放されました。放熱地獄からも開
放されました。もちろん電気の消費量も減って、省エネ生活です。
特に冬の間は、問題ないです。部屋を過剰に暖房することもないので、牛乳
でも2・3日その辺に置きっぱなし。でも冬は冷たい牛乳はあまり飲まないので、
温めたり、料理に使ったりするのでまあ大丈夫でしょう。本当は良くないので
しょうが、それも自己責任。あたっておなかを壊しても自業自得、そう思えば
別にかまいません。誰かのせいにするつもりはないのですから。
匂いをかいだり、自分の五感で食料の安全を確認するようになったことも、
良いことの一つとかぞえてもいいかもしれません。
ものは考えようという感じかもしれませんが、自分ではそれでいいし、たい
して不便でもないので、たぶんこれからも冷蔵庫を使う生活をすることはない
でしょう。
なぜ冷蔵庫が必要かということを考えていると、なんか変だぞということに思い当たります。例えば漬物。漬物を買って食べることにはすごく抵抗があるので買いません。漬物はうちで
漬けて食べる物、という刷り込みが子供の頃からあるからです。それとなぜか
とっても添加物の宝庫状態が多いです、売っている漬物は。なぜでしょうか。
漬物はもともと保存食だったはずです。野菜を保存するため、味を良くするた
め、いざという時の食料としてと、いろいろ考えてみてもやっぱり保存食です。
沢庵のエピソードは誰でも知っています。なのになぜこんなに発達した現代になって、保存料などの薬を使ったり冷蔵庫という機械を使ったりしないと保存できなくなってしまったのでしょうか。どこかおかしい。例えばしょう油、味噌なども同様です。何年も寝かせておいしくして食べます。その間冷蔵庫に入れたり保存料を使ったりなど先祖は誰も考えませんでした。だって必要ないですもん。自然の力に任せてうまく利用すれば良かったのですから。
こうした昔からあるもの、冷蔵庫がなかった時代からあるものは、少なくとも冷蔵庫を必要としないというのが本当ではないでしょうか。
ないなんて考えられないと思うものでも、単にそう思いこまされているだけということも多い気がします。無くてもどってことないのに、無くてはならないものと思いこんでいるもの。ないですか、あなたの周りに。
例えばラップフィルム。これができる前はどうしていたんだろうと不思議な
くらいなくてはならないものだとおっしゃっている方がいたのですが、それも
なければないでなんとかなります。
冷蔵庫に食料を保存しておくときに使う。電子レンジでチンするときに使う
。この二つがラップフィルムの主な使い道だとすれば、冷蔵庫も電子レンジもない生活に、ラップフィルムはなくてはならないものではありません。
自家用車や腕時計といったものも、都会で暮らすには必要無いものだと感じています。
要冷蔵の表示があるものは買わなくなりました。冷蔵できないので当然なのですが。それはたいてい加工食品や調味料などです。そういうものがなくても暮らせるように工夫すれば良いわけです。
加工された調味料などは、使われている一つ一つの材料を別々に保存しておくなら常温で良い場合が多いのです。それを組み合わせて自分で好きな味を作れば良いわけです。いろいろやってみると思わぬ良い味に遭遇したりして、してやったりといった気分にも浸れます。
工夫して冷蔵庫なんてなくても済むようにしていくというのも、楽しくて刺
激的で、ボケ防止になるかもしれません。
もうずいぶんと長いこと、一番無駄の多い一人暮しをしてきました。一番浪エネ(省エネの反対で浪費エネルギーという意味のつもり)なわけです。それが変わらなければ何をやっても焼け石に水なのかもしれません。