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たまたま早く帰れた今週のある日、テレビでこんなタイトルの、社交ダンスに打ち込む子供達を扱ったドキュメンタリー番組をやっていた。Ballroomの殿堂、Blackpool Ballroom Towerで行われるUK子供チャンピオン大会(British Juvenile Champion)出場予定の子供達の、大会までの半年間の様子を追いかける内容。 取り上げられていたのは、まず9歳の全英子供チャンピオンのEllie。 「子供を有名にしてお金を儲けてやる」的に妙にギラギラした目をしたご両親は、娘の部屋の壁全面を鏡張りにして、バーも設置。毎週10時間練習を課している。「娘は才能があると言われた」のがダンスを習わせるきっかけだったと言うが、Ellieちゃんがテレビを見ていても「練習しなくていいの?」とプレッシャーをかけ、Ellieちゃんが迷いをみせると「今まで散々お金つぎ込んできたんだからねッ」と叱咤激励する有様。 実際、チャンピオンの座をキープする為にダンス教室に通う事は勿論、数百キロの距離もなんのその、毎週末全英各地で行われるミニダンス大会に出場させては実践経験を積ませている。 Ellieちゃん本人はいたって淡白で(ま、子供だから)、何百個とあるトロフィーはすべて段ボール箱に入れっ放し、「好きな事ができるあなたは幸せ者」と両親に言い聞かせられて、友達と遊ぶ暇もなくても、クローゼットに山のように入っている親が毎週のように作ってくれる衣装を「これが好き」だの「これは普通」だのと無邪気に眺めている。 しかしね、子供の社交ダンスは、体が小さいのでかわいいけど、ダンスに合わせて大人張りに作る表情が、ちょっと私には気持ち悪かったりするんだな。 もう一人の女の子8歳のTabithaはEllieに続いて全英2位であるが、最近パートナーの男の子にパートナーシップ解除の申し入れをされたばかり。理由はどうやら「Tabithaと踊っていても優勝できないから」みたいな事らしい。 子供社交ダンスの世界でも、ダンサーは女の子がほとんど。男性ダンサーは大変貴重で、大会4ヶ月前にパートナーを失ってさてどうするTabithaってとこである。 Tabithaに年間120万円をつぎ込む母親のSamanthaは、各地のダンス教室や大会を廻って「パートナー募集」のチラシを配りつづけるも、全く相手が見つからない。そんな中、この熱心なお母様、このストーリーをテレビに売って番組でパートナー探しをする事を思い付く。 テレビの力って凄いのね。たちまち15人くらいの男の子が集まって、Tabithaは「この子はラテンの雰囲気はあるわね」なんてちょっとした女王様状態。オーディションの結果、ダンスには素人であるがどこかに素質のあるらしいMason君がパートナーに決まった。 このMason君、やはりまだ8歳やそこらだと思うが、既に自分の香水のコレクションを部屋の棚に並べるほどの早熟ぶり。(これはレストランに行く時用、これは従兄弟の家に行く時用なんて、TPOにも既に配慮)。生意気にも香水をAfter shaveなんて呼んでいたが、あなたまだShaveはしないでしょッって感じで、微笑ましいよりちょっとムカつく。 一方、女王様Tabithaは、インタビュに答えて「彼は初心者なんだから、100%以上の努力をして欲しい。(だって私と踊りたいんでしょ)」と高飛車だったのが印象的だった。 最後は兄妹のダンスコンビKelsey(8歳)とRyan(10歳)。Kelseyがベッドの上でタイツ丸出しでお兄ちゃんと蹴りあいをしている様子を見て、妙にホッとした。 この兄妹のお母様は、前の2人の子供達の親ほど馬鹿ではないらしく、カメラの前では「ダンスは(何か打ち込むことがあって)子供達の為にいいから習わせている」とクールな様子を見せていたが、大会前に子供達をネイルサロンに連れて行って爪を磨かせたりと、やはりこちらもかなり熱心なご様子。 大会では結局Ellieが優勝。(しかしその後、ダンスパートナーに逃げられる)。 お洒落な素人、TabithaのパートナーMason君は、「友達と遊ぶ暇がないから」という理由で大会の後ダンスを辞めてしまったようである。 日本にもこういう世界があるのかどうか知らないが、チャンピオンのEllieのほぼ完璧に近い踊りを見ていると、随分大きくなってからフラメンコなんていきなり始めても、そりゃあ大してうまくもならない訳ね、と妙に納得。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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