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去年父が亡くなる前、イギリスと日本では簡単に行ったり来たりできる距離でもないし、最後に父に会いに帰るタイミングについては相当悩んだ。余命2週間から1ヶ月と宣告されていたので、今帰って1ヶ月お見舞いを続けてそれからお葬式、49日と考えると2ヶ月日本にいることになる。ぐずぐずしていて結局会えずじまいなんてことになると一生後悔するだろうし、でも2ヶ月家族にかかりきりになった場合に自分にかかるストレスも正直心配だった。
結局優柔不断でいた私に、「最後の貴重な時間は絶対家族と過ごすべき」と背中を押してくれた人がいて、3日くらい仕事の引継ぎなどをしてすぐ帰った。父が亡くなったのはそれから1週間後。早めに帰る事に決めて本当に良かった。 実家がヨーロッパならともかく、日本は特に遠いし、帰国前は、海外生活をしていて親が亡くなりかけている自分を悲劇のヒロインみたいに思いがちだったが、友人らに相談するうちにいろいろなエピソードを聞いた。 これだけ海外に移住する人が増えている昨今、特にヨーロッパでは兄弟・従兄弟がアメリカにいたり他のヨーロッパ諸国にいたりなんてとてもありふれた事で、どこの家庭にもそんな人の1人や2人はいる状況。 友人のひとりはスペインに住んでいたときに「父、危篤」の知らせを聞いてすぐ空港に向かったが、その時ヨーロッパはちょうど夏のホリデー・シーズン真っ盛り。飛行機は予約でいっぱいで3日間キャンセル待ちをしてようやく実家に辿り着くことができたそう。彼女の兄弟はアメリカにいて、これまた飛行機がとれず、結局父親の死に目には会えなかったらしい。 アルゼンチンに両親がいたフラメンコの先生は、知らせを聞いて飛んで帰ったが、結局数分差で間に合わなかったらしい。 別の日本人の知り合いは、どうしても急に帰国できない可能性があったとかで、まだ多少元気なうちに顔を見に帰り、それからお葬式に間に合って帰国。 私はあまりビシネスに厳しくない小さい会社に勤めていたおかげで、まあ自由がきいたとでもいうのか、結局無給ながらも6週間日本にいることができた。 ラッキーだった私は別として、何の場合でもそうだけど、結局その時にできる最善を尽くすしか、いざとなったらできないと思う。まあ皆、そうやって時には妥協し、時には後悔し、生きていっているのだなあと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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