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10月4日、足枷。



自由な祖母に足枷をはめてしまった。
かゆいと辛がる祖母を20時間近く身体をさすっていた私の両手は
限界だったのかもしれない。
自分ではいつもどおりのつもりだったのに。
自分より20キロ以上重い祖母の身体はふとした拍子に崩れた。
朝6時。
母は睡眠薬を飲んだ直後だろう・・・。
泣き喚き私の顔を叩く祖母に仕方なく母を起こした。
気丈なのは母のほうだった・・・・。

結局近所の病院ではなにもできないといわれた。
他の病気が多すぎて手がつけれない。
大腿骨骨折で命の保証はできない、と。

目の前が真っ暗になった。

朝9時まで待たされ大阪の病院に転送。

そこでも午後4時まで待たされた。

結果最初は3ケ月の入院を告げられた。
骨折した場所から出血するため命の保証はないといわれた。
即輸血をした。
しかし内臓のほうが悲鳴をあげていた。
骨折という足枷をはめてでも
今回は入院させて正解だったとは母は言った。
外科の先生もおなじことを言った。
少し自責の念からすくわれた。

家では誰も祖母の意思にさからえないから。

足の大腿骨骨折は誤診断だったらしい。
しかし全身麻酔での手術のため週末はさけたほうがいいと。

・・・麻酔。
麻酔がきかなくて、両手両足をロープで縛られ
おなかを手術された祖母は、極度の痛がり、病院恐怖症なのだ。
昔の祖母なら100%こばんだだろう。

腎臓透析と輸血。
とりあえずさきゆきは見えない。月曜日まで。
一晩中祖母の身体を支えた私の右手は麻痺したが
看護婦さんは優しい人たちばかりだった。

母のほうが又壊れたようだ。眠剤を無茶な飲み方をしてしまった。
あれだけ注意したのに。
親子で交互で潰れていては仕方ない。

・・・かくゆう私も筋肉弛緩剤をのんで目が醒めたらぎりぎりの時間だった。
また、病院に、戻ります。


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