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迷鴎亭 ★BAKERY FESTE★

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虫日記1

5月19日 ピロ

最近、「ピロ」をよく見かける。ピロとは、某北国のお友だちによる命名で、一般的にはシミ(紙魚)という昆虫である。紙を食べるらしいが、発見するときは部屋の隅の床をピロピロ歩いている。

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体長1cm弱。なかなか立ち止まらないので撮影は難しい。
こいつは、つかまえてポリ袋に入れて撮影した。裏から撮ろうとしてひっくり返すと、いやがってすぐ背中を上にするので、裏の写真はちょっと押さえつけて撮った。ごめんピロ・・・。

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テントウムシの幼虫

ここ数日、ビオラにアブラムシがついてすごく増えてしまったので、近所の草花やミカンの木から、テントウムシの幼虫をもらってきた(勝手に捕ってきたとも言う)。

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10匹ほどもらってきた。体長7~8mmの小さな虫だが、こいつらは獰猛な捕食者である。
成虫と同じような6本の脚で素早く歩く。人の手にもすぐ乗り移ってくるので、捕まえるのは簡単だ。肉食だから、人間の手も食べ物のニオイがするのかもしれない。実際、噛み付いているようだ。
テントウムシの成虫も、手にのせると噛み付く。ぜんぜん痛くないから、ふつう気がつかないだろうけど。こいつらが巨大でなくてよかった。テントウムシが10cmぐらいあったら、人間もかじられて大変だ。

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さっそくアブラムシを貪り食っている。

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ぼりぼり食うのではなく、体液を吸っているようだ。口をムグムグしてるのがはっきり見える。

6月25日 ハエトリグモ
6-25kumo3.jpg.アダンソンハエトリ♂
室内にたくさんいるハエトリグモ。雄は白と黒でモダンな模様。雌は茶色。
ハエトリグモにとって、世界は危険に満ちている(たいていの虫にとってそうだが)。
ドアにはさまれる、人間に踏まれる、掃除機に吸い込まれる、冷蔵庫に閉じ込められる、ゴミ袋に入ってゴミといっしょに出される、殺虫剤によるアリ殺戮の巻き添えを食う、etc.
上記はすべて人災である(しかも全て実話である)。アシダカグモに食われることもある。アシダカグモは建物内に住んでいることが多いそうなので、人家に住むことによって遭遇する確率も高くなると思われる。

このように、人家の中に住むことによって追加されるリスクは相当なものだが、アダンソンハエトリは屋内に住むことをやめない。メリットもあるのだろう。とくに虫姫宅はアダンソンハエトリが住むのに適した環境であるらしい。犠牲者も多いが、常に多数が生息していることが確認されている。他の種のハエトリグモはほとんど見かけないので、アダンソンハエトリの独占状態である。
室内に大型のハエトリグモがいないのは、大きさの合う獲物がいないからだろう。網戸の網目をくぐって入ってくる(そしていつのまにか蛍光灯のカバーの中にたまる)ような小さな虫やショウジョウバエなどは、アダンソンハエトリの格好の獲物である。

いつも言っていることだが、クモは人間に危害を加えない。ハエなどはもちろんのこと、何してるかわからない得体の知れない虫を食べてくれるのだから、クモは大事にすべきだ。

家を守る虫(爬虫類苦手な人すいません)
虫姫宅はすきまだらけなので、巨大なアシダカグモも出入り自由だ。そうはいっても、こんなヤツが入り込んでいたのはちょっと驚きだった。
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ヤモリである。温暖な地域の人家にはたいていいるものだから、今まで見なかったのが不思議なのだが、本当に初めて見た。しかもいきなり室内にいた。
しっぽの先まで入れると8cmぐらいだろうか。このあたりのヤモリの平均的な大きさは知らないが、子どもではないかと思う。昔、これとそっくりの色形で15cmぐらいのやつをたくさん見ていたから。熱帯地方だったけど・・。
すぐ捕まるどんくささも子どもっぽい。ペットボトルの口を頭の先に近づけて、しっぽのほうをつついたら、するっと入ってしまった。

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皮膚が薄くて、内臓が透けて見えそうだ。同居人が怖がって、絶対ボトルから出しちゃダメだと言うので、玄関の外で出そうとしたが、なぜか出てこない。吸盤でしっかり張り付いているから、振っても落ちてこない。
しかたないので、ベランダに放置した。1時間ぐらい後に見たらいなくなっていた。

ヤモリは蚊をよく食べる。漢字で書くと守宮。「屋守・家守」の意味だともいう。
クモは蚊を食べないので、クモとヤモリの両方がいてくれると人間にとっては都合がいいのだが、ヤモリがハエトリグモを食べてしまったり、アシダカグモがヤモリを食べてしまったりするだろうな・・・。クモたちは室内で放し飼い状態だが、ヤモリは同居人がダメだと言うから見つけたら外へ出さなくてはならない。残念なり。

ところで、ヤモリは虫なのか?
はい、虫ですよ。虫姫にとっては。
日本語では、ケモノや鳥以外の小さな生き物は「虫」なのだ。蛇、蛙、蜥蜴、みんな「虫」でしょ?

8月21日
ハエトリグモが元気だ。この暑さも平気というか、ますます元気である。
室内に何匹いるのかわからないが、各部屋に1~2匹は確実にいる。
最近、とみに肥えている。いいもの食べてるんだろうと思っていたら、食事中に遭遇。

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食われているのはカネタタキという虫だと思う。コオロギを細くして色を薄くしたような虫で、オスは鳴く。毎年、洗面所に1匹入り込んでしばらく居つく。今年は2匹になっていて、いつのまにか居間にまで侵入してきた。
虫姫は、人間を刺したり食べ物にたかったりしない虫は「無害」と認定する。「不快害虫」という概念はほとんど皆無。だからカネタタキも放置してあったのだが、ハエトリグモのエサになるとは、役に立ったものだ。

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自分と大きさの変わらない虫をつかまえて、うまそうに食べている。このクモはアダンソンハエトリの女の子。成虫はふつう5~7mmなのだが、この個体はもっと大きい。栄養状態が良いのだろう。脚もむっちりしているw。

同じ部屋に、オスの姿もよく見かける。オスもだいぶ大きくなっている。
以前、デートしていたやつらだろうか。デートというのは勝手にそう思ったのだが、その行動が面白かったので何時間も観察していた。

そのときの様子↓・・・小さくてなんだかわからないけど。
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このとき見たペアは、体長5~6mmだった。オスが、一定の距離を保ちながらメスのそばを慎重に歩き回っていた。

クモは、自分と同じぐらいの大きさまでの生き物なら、何でもエサにしてしまう。毒キバで噛み付いて、消化液を注入して相手の体をとかし、吸い込むという食べ方をするそうだ。虫は外骨格なので、クモに食われると「カラ」だけが残る。「毒キバ」というのがどのくらい正確な表現なのか知らないが、とにかく相手もキバを持っていることを知っているから、クモはクモに出会うと非常に慎重に行動する。というか出会わないように気をつけているらしい。

しかし、オスとメスは出会わないわけにはいかない。
繁殖行動の意図がないときは、出会ってしまっても、相手の動きに注意しながら少しずつ距離を広げていく。クモの考えがわかるわけではないが、まさにそうしているように見える場面を目撃したことはある。

上の写真を撮ったときは、明らかにお互いが異性であることを意識していた。オスがじりじりと距離を縮め、じっとそっちを見ていたメスが、その場で向きを変えてオスにおしりを向ける。それが「攻撃しない」という合図であるようで、オスは一気にメスに近づく。
しかし、オスがちょっと体に触れると、メスは急に気が変わるのか、ぱっと向きを変える。その瞬間オスは飛びのいて、また距離を保ちながらじりじり横歩きを始める。
飛びのくのが遅いと、メスに食われてしまうのだろうか・・・。そんなことを繰り返して、見ていただけでも2時間ぐらいやっていた。
目を離していたら見失ってしまったので、結局デートはうまくいったのかどうかわからなかった。ああやって、決死の覚悟でメスに近づいて、求愛に成功することもあるから、いつのまにかミニサイズのハエトリグモが姿を見せるようになるのだろう。失敗してエサになってしまうことも多々あるんだろうけど・・・。



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