キアゲハ2007キアゲハは、アゲハ(ナミアゲハ)に比べてあまり見かけない蝶だが、ある日突然、大量に卵を産んでいくことがある。今年は当たり年であるようだ。最初にキアゲハが産卵していることに気がついたのは、6月20日のことだった。 ![]() ![]() 産卵中のキアゲハ。 これは6月26日に撮影したものだが、こうやって毎日のように産み付けていたようだ。 ![]() 孵化して半日以内の1齢幼虫。 ![]() ![]() 体長約2mm。小さな小さな幼虫だが、それでもあの卵の中によく入っていたと思う。 先に生まれた幼虫は、もうこんなに育っている。 ![]() 脱皮して3齢になったところ。色を見て4齢かと思ったが、小さかったからたぶん3齢だろう。3齢まで全体的に黒っぽい個体もいる。これは色の薄いタイプ。 ooアオムシ写真集oo ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 太い脚(腹脚)でしっかり茎につかまっている。胸にある小さな脚(胸脚)で茎や葉や実を持って食べる姿が可愛い。 ![]() 蛹化体勢になっている幼虫。食草を簡単に離れて手乗りになる。7月15日撮影。 ![]() せわしく動いているのでブレる。 前蛹~サナギ 産みつけられた卵のうち、卵から若齢幼虫のうちに死んでしまったものが多かったと思う。蛹までなれたのは5匹だった(7月18日現在)。 一般的に、蛹になっても寄生蜂の卵が入っている可能性が高いものだが、5匹とも無事らしい。 ![]() ![]() 左:前蛹。7月5日撮影。右:蛹。7月7日撮影。 この個体は、幼虫時代に食べていたパセリの茎でサナギになった。蛹化場所を選ぶ基準は、幼虫にしかわからないようだ。食草から離れることが多いのは確かだが、このように食草に居座るものもいる。反対に、庭を横切って何mも歩いた先で蛹化することもある。 ![]() 蛹化場所を求めて歩いているところをつかまえて箱に入れた。7月13日撮影。 体を糸で固定している。 羽化 夏の晴れた日なら、早朝に羽化することが多いが、まだ梅雨だし台風も来て天候不順なので、羽化の時間も当日のコンディションに合わせているようだ。 7月17日 パセリの茎で蛹化した個体が羽化した。 ![]() ![]() ![]() 台風が通り過ぎてもあまり天気が良くならない。今日も朝は雨が降っていた。 昨日からサナギの色が変わってきていたが、雨が降っている間は羽化しない。午後晴れたら出てきた。 7月20日 キアゲハ2号羽化。 ![]() ![]() ![]() ![]() 羽化したばかりの蝶は輝いている。鱗粉は一粒一粒あるべき場所にあり、羽ももちろん尾状突起の先まで完璧である。 標本を作る人は、きれいな標本にするために幼虫から育て羽化したばかりの蝶を使うそうだ。野外を飛んでいる蝶は、しだいに鱗粉が取れて羽は敵に噛まれたり引きちぎられたりして、なかなか完璧な状態の蝶はいない。産卵しに来る蝶でも、羽がボロボロのものもいる。 もっと強靭な羽にしよう、と蝶は思わないようだ。何百万世代もこれでやってきたのだ。長くて1ヶ月の成虫時代、配偶者を見つけて次の世代を残すために飛び回るには、この羽で十分、いやこれで完璧なのだ。 羽化した蝶の美しさを見ると、畏怖の念に打たれる。何百匹育てても、新しい蝶を見るときの感動が薄れることはない。広い空に飛び立たせ、見送る以外に、私にできることはない。 ジャンル別一覧
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