佐野まり はちどりの庭 Mari Sano Jardin Colibri

2010/01/24(日)16:48

ベネズエラからの訃報

Amistad Musical(330)

身体と魂の存在する最期の夜、明日この世から旅立っていく友のことを考えながら、1時間ほど深夜、出会いからの様々な出来事を思い出しつつ歩いてきました。きっと彼の友人の多くがソレゾレの寂しい夜を過ごしていることでしょう。 ベネズエラのパーカッショニスト、エリアサル・ジャネスの突然の訃報。心筋梗塞で昨日の夜、なくなったとの知らせをfacebookを通じて知り、彼のfacebookは亡くなる直前まで更新されていて、まるで最後の一言を見るような、、、そして後、一斉に彼へのメッセージが並んでいます。まるで彼に話しかけるように。 きっと彼は皆のメッセージを見ているのではないかと思えてくる。 2006年、初めて訪れたベネズエラのJuanSebastianBarで、セッションに参加して彼と出会い、翌年に日本文化週間の舞台で共演することになりました。彼の御宅に伺い素敵な奥様の御食事を頂きながらリハーサル、なんとお宅には相棒マリオと同じインコがいました。 「パルケラティーノ」を気にいってくれて、本当に楽しそうにドラムを叩いてくれた姿がドキュメンタリービデオに残っています。広島のドキュメンタリーを制作した友人フリオ・マルティーネスから、5年がかりで完成させた作品が届いたばかり。エリアサルに見てほしい、、とマズ思いました。彼との共演は本当に特別だった。彼の「ラテンな和太鼓」と、よく記者の方にいわれる「東洋のチャランゴ」は、ある意味とても自然に噛みあって、会場の盛り上がりを大いにかんじることができた踊る太鼓と踊るチャランゴの出会うことのできた舞台。 2007年は二人で煮詰め、2008年はコロンビアからケーナ奏者マルロン・ゴメスを迎え、トリオとしての成長がありました。お互い突発的な発想や演奏で時折リハーサルではぶつかることもありましたが、本番は何年も一緒に演奏しているように、即興が全て噛みあっていきました。 変な日本語で冗談ばかり、でも凄く繊細で、本当に真面目に心全てを太鼓に注いでいた。朝起きてから眠るまで、太鼓を叩くための生き方。物凄く健康的な生活をしていたはず。疲れていたのだろうか、、愛する奥様の悲しみを思うと、正直ベネズエラに飛んでいきたいです。 日本で大きな公演を開けたらエリアサルと渡辺亮さん、そしてパディ米本義彦、踊るドラム、踊る和太鼓、踊るビリンバウ、踊るチャランゴの共演。そんな夢を密か勝手に思い描いていました。彼とのベネズエラ国外での共演の夢は、コロンビアへ向かう際に政治的な事件が発生して、国境が封鎖され適わなかったことがありました。2回の共演の様子はビデオに残っていますが、リハーサルからとっているので未だ見る気にはなれません。舞台で浴びた彼の音色、そして彼の歌「アビラ山」が耳に響いています。 佐野まり・Mari Sano http://www.myspace.com/marisano

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