曲書き屋さんは確信犯・・・
お楽しみサークルで伴奏をしてくださっているSさんのミニコンサートに出掛けたSさんはジャズピアニストであり、TV番組や映画、舞台に楽曲を提供する音楽制作者さんサークルイベントの本番ではドラマチックな演奏にメンバー全員がびっくりしたが普段の練習ではメンバーのレベルの問題もあって、マジ演奏を聞くことはほぼ不可能ところが今回、隣市の美術館で地方館としては少し大きな展覧会があり関連イベントとして記念講演会とともにSさんのミニコンサートが企画され『タダ企画』と知ってメンバー数人と押しかけた展示されている絵から受けたイメージを曲にして演奏するコンサートで全てSさん作曲、演奏曲数6曲(アンコールと、即興曲が別に2曲)学芸員による簡単な絵の紹介つきで1時間ほどのコンサートだった感想は・・・一言で言って 「意外」ピアノ演奏かと思っていたらシンセだったと言うこともある作りこんできた音源に合わせての演奏だったのでライブ感が薄かったライブ感が薄い代わりに世界観(?)が重厚で、別の空間に漂っているような・・・TBSの『世界遺産』にも楽曲提供してる方なのでそんな感じと言ったら伝わるだろうか今はPCでフルオーケストラの演奏が作れるそうだけれどもたった一人でのコンサートなのに不思議な感覚そんな中、1曲だけエレピのみで演奏された曲があった10世紀のイギリス風景画のイメージで作られたその曲はしっとりと美しく、物憂げで儚げ・・・ああ、素敵な曲だなぁと思ったら、演奏後にSさん一言「どうですか?いい曲でしょ!」は?自分で言いますか???「実はこういった曲調は非常に受けが良いんですね 経験上、受けると知っていて確信犯的に書きました」凄いこと言いながらお茶目に笑うSさん・・・その後も「僕は映像に音楽を付ける仕事をしてますので、元になる絵が頭の中で動いてしまいます 動物が描き込まれてる絵だと皆さんが受ける印象より躍動的になっているかも その点はご了承いただけるとうれしいです」などの前置きをしつつも美しい曲を披露また、彼のコンサートでは恒例になっているらしい即興のコーナーでは場所・時間・登場人物・季節を別々の観客に設定してもらってイメージに合う曲を即興で弾いてくれたおそらく観客の8割以上が「ああ、そうそうそんな感じ・・・」と受け取ったのではないかと思う「作ったものを持ち込んでいますので、作曲できるんだぞって証明のコーナーなんです」またまた爆弾発言(笑)でもね、分かる気がしたSさんはご自分のことを「曲書き屋」と呼ぶ受ける曲、説得力のある曲、つまりは「使える曲」を書くのを生業としてらっしゃるのだ音楽の才能、技術、知識、それ以上に今何が受けるのか、今何が使える曲なのか、クライアントが何を求めているかそれらを敏感に感じ取るセンスと高いコミュニケーション能力多くの人が普遍的に持つイメージの理解力や想像力が必須なんだろうと思う感性の世界であっても、才能だけで生きていくのは難しいそうヒシヒシ感じたのでこのテーマの記事にした