食物神
食物の神様と言えば豊受大神やうかのみたまのかみ(稲荷神)などが有名ですが、これらの神様が現代の食糧事情をどう視られていることやらと思います。 食べ物を基本的に粗末に扱っていることこの上ないのではないかと思うからです。現代人は食べることについて強迫観念に近い欲求を持ち続け、そのくせ田へ物そのものの価値を「命」と結びつけて考えることを忘れてしまっているように思います。 食べるということは他者の命わいただいているのだという基本的な思いが人々の心から欠落してきているのではないかと思えてなりません。 なぜこの国で豊作を祝う祭りが全国各地に数多く残っているのか?稲荷の社がこれだけ数多く町や村のそこかしこに建てられているのか?それは昔の人々にとって「食べ物」がいかに大切だったかということの大きな証なのですが・・・。 食べ残しの廃棄量というものも膨大な量になっているらしいですが、一般の人たちの目にはそんなものは一切映らずに闇に消えていきます。 命というものの価値を自分たちの胃袋と直結して考えていくようにしなければ人の未来というものは明るくはならないように思います。